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【DX企業紹介10】石丸文行堂 ~140年続く老舗文房具店のDX挑戦~

2040年問題を見据え、若者・女性にとって魅力的で良質な雇用の場の創出を目指す長崎県サービス産業経営体質強化事業は、県内企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援しています。

今年度は株式会社日本総合研究所の協力の元、県内企業13社のDXを推進し、次世代に向けた「稼ぐ力」の強化を行っています。2022年3月14日~16日にはその成果を長崎県DXフォーラム(zoom)の中で発表することとなりました。 

▼▽▼長崎県DXフォーラム応募フォームはこちら▼▽▼ 

企業紹介10社目はステーショナリー、事務用品等の企画・販売業を営む、石丸文行堂です!

 長崎県長崎市に本社を置く株式会社石丸文行堂は、明治16年(1883年)に創業の筆製造販売を中心とする石丸文具店から始まり、現在に至るまで140年の歴史を持つ長崎県が誇る老舗企業です。

 歴史ある企業でも、時代と対峙し、時流に乗った取り組みを行っています。例えば、SNSの活用です。 石丸文行堂では、twitterやinstagramなど、SNSを有効活用し、店舗や商品の魅力を発信し続けてきました。継続的な取り組みが奏功し、長崎県外でもの石丸文行堂のファンが増えつつあり、県外からわざわざ県内店舗まで足を運んでもらえるようになりました。
〈instagramアカウント:@ishimarubun〉

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〈石丸文行堂 instagramの写真〉


 一見順風満帆に見える当社ですが、2019年末から世界中に猛威を奮う新型コロナウイルスによって、状況が一変します。これまで県をまたいで来店してくださったお客様は激減し、県内のお客様も緊急事態宣言発令の影響でお店にいらっしゃるお客様が次第に減っていきました。 

幸いにも、先んじて実店舗以外にオンラインストアでの商品販売を行っていました。オンラインでの販売について、迅速かつ多様な対策が功を奏し、コロナ禍でも売上を伸ばすことはできました。しかし、売上の大きな割合を占める実店舗では、お客様がなかなか戻ってきません。この状況を見た石丸忠直社長はこう言います。

「この原因のボトルネックは実店舗における文具販売という従来型のビジネスモデルを軸に事業活動を展開しており、かつ、お客様との関係構築をSNS以外のシーンで積極的に行ってこなかったことにある。」

 今後の売上拡大(特にお客様との関係構築)のために、お客様の情報を取得し、それぞれのお客様に適した情報発信とOMOやVR等を通じた新たな購買体験を提供することでLTVを高め、従来型の店舗型事業モデルからの脱却を図ることを目指し、本年度長崎県庁経営支援課が実施している「サービス産業経営体質強化事業」への挑戦を決意しました。 

お客様との関係構築を目指して

 お客様との関係を構築するために、現状分析を開始しました。現状分析では、カスタマージャーニーマップ(お客様が石丸文行堂の存在を知り、興味を持ち、来店し、商品を購入し、関係を構築する一連の流れ)の整理を行いました。

SNSで自社の魅力、商品の魅力は発信し、一定の認知、興味を持ってもらっていたものの、お客様が商品を購入した後のコミュニケーションが十分にとれておらず、関係構築ができていませんでした。SNSの他、プッシュ型で情報を配信するアプリと割引券となるメルシー券だけが、店舗にいらっしゃるお客様とのコミュニケーションになっていました。つまり、「どんなお客様が来店し、購入してくれるか?」について把握できておらず、よく来てくれるお客様に適切な情報配信を行えていなかったのです。

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 〈石丸文行堂が本事業で目指す姿についてヒアリングを基に日本総研作成〉

課題を把握した後、先ずは実店舗のお客様情報の取得から取り組みを開始しました。具体的には、既存のアプリに会員証機能を追加し、レジでポイント付与・利用できるサービスを開始しました。併せて、顧客情報について一元管理を行う仕組みを構築。これにより、取得したお客様情報を基に、属性別に適切な情報を発信することができるようになりました。

現在は導入初期段階ですが、日を追うごとに会員登録されるお客様が増えている状況です。引き続き取り組みを進めていきます。 

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〈新たにローンチしたアプリサービス〉

 創業140周年を華々しく飾りたい。 まずは実店舗のお客様情報の把握と関係構築からスタートし、今後はEC・通販との連携を進めていき、更なるお客様との関係構築を目指していきます。そして、通常の商品販売から一線を画したVR空間での商品販売を行うなど、ワクワクする購買体験を今後検討していきます。 

老舗企業とは思えない柔軟性と気鋭さを持つ当社の石丸社長はこう語る。 「DXを率先して着手し、自社のビジネスモデルやブランドイメージを変革し、華々しく140周年を迎えたい。」

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〈DX企業変革を実現し、華々しく140周年を迎えたいと語る石丸忠直社長〉 

当社の変革への挑戦はまだまだ始まったばかり。老舗企業の挑戦に、今後も目が離せません。 

石丸文行堂は実店舗、オンラインストア共に鋭意営業中です!
ぜひご来店ください。 石丸文行堂オンラインストアはこちらから

 石丸文行堂は3月16日に登壇し、現在のDX推進状況を発表頂く予定です。
 老舗企業の挑戦をぜひ間近でご覧ください!

 
長崎県DXフォーラム(zoom)開催! 


日時:2022年3月14日(月)~16日(水) 各17:00~18:00
参加費:無料
参加方法:オンライン(zoom)
登壇者:長崎県内のDX推進事業者10社程度(各回3~4名登壇予定)
 ご参加対象者:DXに興味がある方、
 中小企業のデジタル活用に興味がある方、
長崎の未来を盛り上げていきたい方

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 文責:株式会社日本総合研究所 コンサルタント 大向望

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