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【DX企業紹介4】浜屋百貨店 ~百貨店DXで地方の賑わいを創り出せ!~

2040年問題を見据え、若者・女性にとって魅力的で良質な雇用の場の創出を目指す長崎県サービス産業経営体質強化事業は、県内企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援しています。今年度は株式会社日本総合研究所の協力の元、県内企業13社のDXを推進し、次世代に向けた「稼ぐ力」の強化を行っています。2022年3月14日~16日にはその成果を長崎県DXフォーラム(zoom)の中で発表することとなりました。

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企業紹介4社目は長崎市唯一の百貨店、浜屋百貨店です!

既存百貨店ビジネスに追い打ちをかけた新型コロナウイルス

 これまで百貨店は、高級ブランドの買い物に加えて文化・教養・レジャーといった様々な体験ができる場として、文化の発信地・地域経済の中心地的役割を長年果たしてきました。しかしながらバブル崩壊以降、人口減少や少子高齢化、ECの伸長など様々な社会的要因を背景に百貨店離れが加速し、百貨店全体の売上は90年代の9兆円をピークに減少し続け、コロナ禍の2020年はとうとう4兆円台にまで落ち込みました。(出所:経済産業省百貨店研究会第1回資料)

 そんな中長崎市の老舗百貨店である浜屋百貨店も、主要顧客である市内のシニア層や中国などのインバウンド需要が激減し、多分に漏れずコロナ禍の大打撃を受けました。
 長崎のシンボルとしてあり続けるためにDXに取り組まなければという必死の思いから、浜屋のDXへの挑戦がスタートしました。

リアル店舗依存型ビジネスからの脱却を目指す

 浜屋がまず検討したのは既存の自社オンラインストアの売上拡大です。コロナ禍と県内人口の減少により今後もリアル店舗の売上増加が見込めない以上、これまで主軸であったリアル店舗売上以外の新たな事業を作る施策は不可欠でした。

 現状オンラインストアは、他社に追随する形でサイトは立ち上げたものの、顧客ターゲットが誰なのか、何を買っているのか、どのような経路をたどって購入しているのかといった、お客様を具体的にイメージできるデータが収集できていない状況です。そこでまずは①リアル店舗に訪れた顧客の情報、行動特性、購入データなどを収集・分析し、②そのデータを起点にオンラインストアの広告を配信、③配信結果と売上影響を見てPDCAサイクルを回すことで、オンラインストアへの流入数や購入までのコンバージョン率を高める施策を検討しています。

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出所:浜屋百貨店へのヒアリングを基に日本総研作成

 オンラインストアの売上を上げるためにはウェブ広告などのマーケティング施策が重要となりますが、その仮説の起点を「リアル店舗に訪れてくれるコアなファン層」とすることで、広告効果を最短ルートで改善していく戦略です。

リアル店舗とECを駆使して長崎の一次産業を盛り上げたい!地域の賑わいを創り出すOMO戦略

 本事業の推進者である取締役の日永潔氏は「オンラインストアの利用者を増やして『ここには長崎の魅力的な商品が揃っている!』と遠方の方にも感じていただくことで、将来的には長崎県内商品のアンテナショップのような機能を担いたいと考えています。」と語ります。現在も長崎県に在住の方や、長崎県にゆかりのある方に多数ご利用いただき、「コロナ禍でも長崎の風を感じられる」と良質な地場産品の品揃えに好評をいただいています。(浜屋のオンラインストアはこちら!

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 取締役営業統括部長の日永潔氏

 長崎県は独自文化が多く残る地域であり、まだまだ世に知れ渡っていない魅力的な商品が多数あります。これまで県内の一次産業事業者は、自社でPRは行ってきたものの拡散できるノウハウとブランド力がないためオンラインで販売しても埋もれてしまうことがほとんどでした。浜屋が県内事業者に代わってオンライン・オフライン双方から販売やPRをすることで、幅広い顧客層に商品を届けることが可能になります。今回のDXは、長崎の離島や過疎地を盛り上げていくための第一歩です。

 長崎で愛され続けてきた浜屋だからこそ、リアル店舗とオンラインストアそれぞれの良さを活かして、長崎の賑わいの創出に貢献していきたいと考えています。 

長崎県DXフォーラム(zoom)開催!

日時:2022年3月14日(月)~16日(水) 各17:00~18:00
参加費:無料
参加方法:オンライン(zoom)
登壇者:長崎県内のDX推進事業者10社程度(各回3~4名登壇予定)
ご参加対象者:DXに興味がある方、
中小企業のデジタル活用に興味がある方、
長崎の未来を盛り上げていきたい方

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文責:株式会社日本総合研究所 コンサルタント 湯浅夢奈

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