見出し画像

【DX企業紹介2】西海陶器 ~目指すのは世界の「HASAMI」~

2040年問題を見据え、若者・女性にとって魅力的で良質な雇用の場の創出を目指す長崎県サービス産業経営体質強化事業は、県内企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)を支援しています。今年度は株式会社日本総合研究所の協力の元、県内企業13社のDXを推進し、次世代に向けた「稼ぐ力」の強化を行っています。2022年3月14日~16日にはその成果を長崎県DXフォーラム(zoom)の中で発表することとなりました。

▼▽▼長崎県DXフォーラム応募フォームはこちら▼▽▼

発表会までに1社ずつどのような「DXへの挑戦」をしているかご紹介したいと思います。2社目は、波佐見焼の世界ブランド化を目指す西海陶器です。

世界に挑戦するためのDX

西海0

 2000年頃に「生産地表記の厳密化」の流れを受け、400年以上続く波佐見焼を主としたブランド展開に大きく舵を切った西海陶器は国内外に積極的に展開しています。特に海外における成長が目覚ましく、シンガポールをはじめ、4か国以上の国へ波佐見焼を広め、いまや売上高の40%を海外売上高で占めるほどに成長しています。
 そんな折に新型コロナウィルス感染拡大が発生しました。これまで国内の主力チャネルであった百貨店、量販店、専門店等の従来チャネルは売上不振が続く一方で、インターネット販売を手掛ける取引先が増え、カタログの電子化やSNS対応といったデジタル技術を活用する場面が増えてきました。
 ピンチはチャンスです。今後、世界の「HASAMI」を目指す上ではアナログ工程が多くあってはいけません。また、日本は少子高齢化にあり、生産年齢人口の減少も続いています。売上成長に伴い効率化を図っていかなければ人材も追いつかなくなることが目に見えています。
 そこで必要なのがデジタル技術を活用した「稼ぐ力」を伸ばすDXへの挑戦です。

RPA導入による業務効率化

 西海陶器がまず挑戦したのはRPAの導入による業務効率化です。RPAはRobotic Process Automationの略であり、簡単にいうと「人間の代わりに業務をこなしてくれる自動化ツール」です。
 海外売上高の成長と、コロナ禍による取引先の増加により、受注タイミングは四六時中となりました。FAXによる受注が基本となっており、複合機から出てくる数多の発注伝票を人力で処理していました。
 そこで近年、Web-EDIを導入し、受注から配送・経理処理までを全てデジタル上で処理できるように進めていましたが、それでも一部の工程において手作業が残っていたため、RPAを導入することで自動的に処理できることに挑戦しています。RPAの導入に成功した暁にはAI-OCRの導入も検討しており、AI-OCRの導入が実現できればFAX受注の自動化も可能となります。

西海1

出所:西海陶器へのヒアリングを基に日本総研作成 

年齢や性別関係なく誰もが即戦力になれる会社へ

「今後、DXを加速させていき、データドリブン経営に移行することができれば、年齢に関係なく若年層や女性の方でも即戦力となるような働き方が実現できます。また、やりがいも創出され、西海陶器への入社を希望する人が増えると思います。そして、古い体質の陶磁器業界におけるデジタル技術の活用は業務効率化や情報の共有化もでき、産地の連携を強化できるとも思っています。」と笑顔で語るのは、本事業推進役の西海陶器取締役常務小林善輝氏。

西海2

本事業の推進役の西海陶器小林善輝取締役常務(西の原にて)

陶磁器を起点とした地域振興にも力を入れています。「陶器の窯蔵」として各種食器を取りそろえるÔ YANE元製陶所を活かした創造拠点・商業エリアの 「西の原」 では、色とりどりの陶磁器に実際に触れることができるのでぜひ波佐見町に足を運んでみてください。これからも長崎県が誇る伝統陶磁器波佐見焼の世界ブランド化への挑戦は必見です。
西海陶器は3月15日に登壇予定です!ぜひご応募ください!

長崎県DXフォーラム(zoom)開催!

日時:2022年3月14日(月)~16日(水) 各17:00~18:00
参加費:無料
参加方法:オンライン(zoom)
登壇者:長崎県内のDX推進事業者10社程度(各回3~4名登壇予定)
ご参加対象者:DXに興味がある方、
中小企業のデジタル活用に興味がある方、
長崎の未来を盛り上げていきたい方

▼▽▼応募フォームはこちら▼▽▼
▼▽▼イベント詳細はこちら▼▽▼

文責:株式会社日本総合研究所 シニアマネジャー/上席主任研究員 大森充

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?