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選手

 新卒で入った会社では、上司や先輩が、部下に対して「◯◯さん」に加えて、「◯◯選手」という敬称を使うことがよくあった。「◯◯選手、今日も頑張ってるね〜」「◯◯選手、現場はどうだった?」「◯◯選手、来週からの出張、頑張ってね」というような感じで。

 ビジネスマンはある種のアスリートなのかも(?)しれない。また、その会社の主たる仕事場が「プラントの工事現場」ということもあり、「選手」という言葉が妙にしっくりきた。何より、言葉の語感や響きが面白い。それ以降、自分もよく「選手」という敬称を愛用するようになった。

 自分は、年下と接する場合でも、敬語を使う。ただ、親しくなった後でも敬語で「さん」づけだと、どこか堅苦しいし距離を感じてしまう。そういう場合には、年下の人に「さん」ではなく、「選手」や「先生」といった敬称を用いることにしている(年下じゃなくても使うこともある)。使い分けは感覚的で適当だが、「すごい頑張ってるな〜」と思う人には「選手」、「この人からは学ぶところが多いな〜」と思う人には「先生」をつけて呼ぶことにしている。

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 書き終わって振り返ってみると、なんか自分「おっさん」ぽいなと思った。

おしまい

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