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サマーハウスという解釈で家に住む


家の近くの展望台から

8月に房総半島のとある海辺のまちに一軒家を借りた。私はいつまでこの家に住むのか分からない。
そもそも2ヶ月ほどで通算2週間ほどしか家にいないので、これからも家とどういう距離感で付き合えばいいのかも、わからずにいる。
他拠点生活をしている人間として、生活の場について感じたことを残しておこうと思う。

出張のしやすさや増えすぎた拠点整理のために一度実家のある千葉に戻ってきた2021年8月。
定住したほうがやりたい生活(家庭菜園や季節の手仕事)ができるだろうということで、しばらくは実家を片付けながら北千住でのプロジェクトに関わったりして、都内や関西方面へもよく出かけていた。

そんなこんなで、暮らしも落ち着いたことだし、やっぱり人と住みたいし引っ越すか(ここに至るまで紆余曲折あり)と思い、2022年8月。突発的に涼しい場所での家探しを始めてその日のうちに内見を申し込み、その週末には家を契約していた。

風が通る2階の廊下にて

当初はシェアハウスにしようと思っていたのだけれど、住民クロージングをするモチベーションを見失って今のところは普通に一人で住んでいる。(住みたいという人はうっすら募集しています。むしろ大家さんに1ヶ月家をあけないように言われているのでピンチ)
ひとまずは、家にしっかり帰りたくなるように家のQOLをあげようと気に入った家具を一つずつ揃えたりしている。
これまでは家具やインテリアをあまり揃えることができなかったので、遠方に行くたびに現地のビンテージ家具屋などを巡って楽しんでいる。

居間につくったワークスペース
キッチンに並ぶお気に入りお皿たち
冷蔵庫。オーブンレンジや炊飯器もある
近所の魚屋さんで買ってきた地元産カツオでランチ
留守をまもるクマたち
地方で購入したデスクランプ
Wi-Fiを開通してもらった感動の日


引っ越しを一通りしてみて認識したのは、私はこんなに各地に行ってフットワークが軽そうなのに家が大好きすぎる=基本的に引きこもりであるということ。
食糧さえあればまったく外出しない。これは習志野や大山にいても同じである。リモートワーカーだけど、カフェに行かなくてもそこそこ仕事できるほうなので、家で仕事をするかソファで転がるか、料理を作っている。
なので、引きこもりでも連れ出してくれる人が近くにいることや、面倒でも楽に出掛けられる環境が実はかなり大事らしい。そういう意味では、億劫にならない程度の都市部に住むことや近くに友人がいることは重視すべき点だと思う。

家から歩いてすぐのところにあるブルワリー

これまで、知り合いのいない離島や地方都市に住んできたなかで、「移住するなら友達の多いところ」と言ってきたわけだけど、そのセオリーを完全無視しての引っ越し。はっきり言って、同じ失敗を繰り返しそうで何をしているんだと思うときもある。

でも、今まで一人では移住とかできないと思っていたのが壊せたのは、自分のなかでは大きな変化になっている。

リスクをとって場を始める人へのリスペクトもあらためて感じるし、維持管理してくれている人たちへの感謝も感じた。

実際の暮らしぶりはといえば、見慣れない謎の虫に怯えたり(適応力が異常に高いのですでに慣れてきた) 、爆音ボイスの町内放送で目覚めたり、水道管が壊れているので(その分家賃を引いてもらっている)朝晩以外は栓を締めてボウルに水をためて野菜やお皿を洗ってみたりしている。洗濯機は外に置く場所があるけど海の街だからかコインランドリーが徒歩30秒にあるのでそちらを使っている。お風呂もタイルで可愛いけどちょっと好きじゃないし、なおしたいところもそこそこある。ちなみにDIY可能物件。

こう書くと不便なところもあるけれど、北欧のサマーハウスだと思うようにしたら俄然楽しくなってきた。先祖が住んでいた電気も水道も電波も通じていない、別荘のような家。彼らはその家を修繕しながら引き継いで、あえての不便さを楽しんでいる。
私も夏の暑さに辟易して涼しいこの家を借りたので、ある意味サマーハウスみたいなものなのだ。サマーハウスなら外に出掛けずにラフなホームパーティーをしたって許されそうだ。むしろそちらのほうが正解だ。
家に思うように帰れていない後ろめたさも、別荘ならそんなものだろう。(大山の物件もシェア別荘なので、別荘が増えたことになる)

そんなわけで、あまり家にいられない日々ですがたまにホームパーティーしたり、近所のブルワリーに行ったり、街も暮らしも楽しみたいと思っているので遊んでください。住んでいるうちに、おはやめに。

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