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いつかの最期の日。






穏やかな雨音が聴こえるように。

窓際で、ゆりかごのような椅子で。


暖かくも冷たくも無いような部屋でひとり。
本を隣の小さな木の細い柱のような支えの机の丸い卓の上に置き、

途中で栞を挟む間も無く、
逆さに置いて、


ふと目を閉じる。


最期に残るのは聴覚らしい。



きっと最期に僕は耳を傾ける。
空と星に、窓のそとのその雨音と、きっときっと小さな花に。


雫の様に唯落ちて。
燦く様に只祈って。

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