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NBA2023-24シーズンのパワーフォワードランキングTOP24に八村塁が入った理由

NBA関連の情報を取り扱うメディア、HoopsHypeによる2023-24パワーフォワードランキングで、レイカーズの八村類が23位にランクイン。ポジションレスが進むNBAにおいて、スモールフォワード・パワーフォワード・センターを明確に区分することが難しい中ではあるものの、現在NBAには約90名のパワーフォワードが在籍する中(ESPNより)、八村は今回上位層の群に入ったことは間違いない。なお、1位から24位までの選手とその2022-23レギュラーシーズンのスタッツは下記の通り。

https://www.nba.com/stats/playersより作成。
マイルズ・ブリッジズはシーズン全休のためスタッツデータは無し。

単純にレギュラーシーズンの数字だけを並べてしまうと、23位にいる八村塁(レイカーズ)と24位のジャレッド・バンダービル(レイカーズ)トとではスタッツに大きな差は見受けられない。むしろサラリーとPIE(※)だけをみてしまえば、24位のバンダービルトの方が優れた選手なのではないかとも思わされる。この点も踏まえ、HoopsHypeは八村塁についてどのような評価を以て23位としたのか。以下、記事に書かれている八村評の抜粋と意訳を記載したい。

Another important trade deadline addition last season for the Lakers was power forward Rui Hachimura, who proved to be a great fit on the team at times as a starter but mostly off the bench. Hachimura’s one-on-one scoring – he’s got a potent face-up game and a very quick first step that bigger opponents have trouble keeping up with – were vital to the Lakers’ postseason charge. His numbers may not totally reflect that, as his 2022-23 averages were quite similar to those of Washington Wizards days when many thought he wasn’t living up to the expectations of being a former Top 10 pick, but Hachimura is probably just someone who thrives at being a role player and struggles when given too much of the load on offense. Either way, the Lakers are surely elated to have him and he’ll play a big part in L.A.’s season plans for 2023-24.

https://hoopshype.com/lists/nba-rankings-top-24-power-forwards-2023-24-season-giannis-davis-draymond-zion/

"(ジャレッド・バンダービルトに加えて)レイカーズにとってもう一人、昨シーズンのトレードデッドラインで加わった重要な選手はパワーフォワードの八村塁だ。彼はスターターとしてではなく、ベンチから出てくる6th マンとしてチームに素晴らしくフィットした。八村の1 on 1での得点力ー強力なフェースアップ・ゲームと、ビッグマンを瞬時に抜き去る素早いファーストステップーは、レイカーズのポストシーズンでの快進撃に不可欠だった。彼の2022-23年の成績は、元トップ10指名選手としての期待に応えられていない、と言われていたワシントン・ウィザーズ時代とかなり似ていたため、シーズンの数字が彼の活躍を完全に反映しているとは言えないかもしれないが、八村はおそらくロールプレーヤーとして、オフェンスで多くの負荷を与えられると力を発揮するプレイヤーなのだ。いずれにしてもレイカーズが彼を獲得したことに喜びを感じていることは間違いなく、彼は2023-24年のLレイカーズのレギュラーシーズンにおいて重要な役割を果たすだろう。"

つまり、レギュラーシーズンでも成績よりもプレイオフにおける彼の成績をみた上での期待が加味され、今回八村はランクインしたことになる。スタッツとしてならした数字だけを見てしまうと、八村はレギュラーシーズンとプレイオフではそれほど大きな違いは見られないものの、グリズリーズ戦で見せた連続3Pやナゲッツ戦で見せたヨキッチに対するディフェンス等、要所で光るプレイを見せてくれた。こうしたプレイからくる期待値が反映されているものと思われる。

八村塁の2022-23レギュラーシーズンとプレイオフの主要スタッツ比較。


ちなみに、PIEが八村と同程度のプレイヤーは下記赤線で並んでいるプレイヤーの通り。トバイアス・ハリス、ドレイモンド・グリーン、ジェレミー・グラント、そしてジャレッド・バンダービルトである。それぞれのプレイヤーが期待されている役割はチーム毎に異なり、また、サラリーというのはそのときどきのチーム事情や環境によって決まるものなので、単純比較はできないということは承知の上で述べさせていただきたいが、八村塁は自身が残した昨シーズン実績に相応しいサラリー契約を、高すぎず低すぎず勝ち取ったことがわかる(トバイアス・ハリスのサラリーはPIEに対して割高で、バンダービルトのサラリーは割安)。2022−23のプレイオフを経て益々の活躍が期待される八村の動向が今シーズンも非常に楽しみである。

※PIE(Player Impact Estimate)とは下記の計算式から算出される数字で、NBA選手の個人成績表のようなもの。ただし、出場試合数は加味されないため、たとえばザイオン・ウィリアムソンやカール=アンソニー・タウンズのように出場試合数が少なくとも、出場した試合でそれなり数字を残していればそれなりの数値が出る。

PIE Formula=(得点数+ フィールドゴール成功数 + フリースロー成功数 – フィールドゴール試投数 – フリースロー試投数 + ディフェンスリバウンド獲得数 + オフェンスリバウンド獲得数/2 + アシスト数 + スティール数 + ブロック数/2 – パーソナルファイル数 – ターンオーバー数) / (1試合あたり得点 + 1試合あたりフィールドゴール成功数 +1試合あたりフリースロー試投数  – 1試合あたりフィールドゴール試投数 – 1試合あたりフリースロー試投数 + 1試合あたりでフェンスリバウンド数 + 1試合あたりオフェンスリバウンド数/2 + 1試合あたりアシスト数 + 1試合あたりスティール数 + 1試合あたりブロック数/2 – 1試合あたりパーソナルファウル数 – 1試合あたりターンオーバー数)

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