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ベンチャーディールズ(5) キャッシュフロー -Venture Deals / Cash Flow-

以下、米国VC・Foundry GroupのBrad FeldやJason Medelsonが毎年2回提供しているオンラインコース(無料)、Venture Dealsの講義内容が素晴らしかったのでまとめてみました。

今回は「Cash Flow」のセッションを和訳してみました(和訳することについてはBrad Feld氏と直接コンタクトし、許可を得ております)。他のセッションも順次アップしていく予定です。是非ご一読下さい。

なお、Venture Dealsについては、本でも出版されており、またこちらもベンチャーキャピタルを理解する上でとても勉強になる、シリコンバレーVCにとっての古典的名著なので、是非ご一読ください。

(以下、講義和訳)

(ジェイソン)キャッシュフローはスタートアップだけに重要なものではありません。ベンチャーキャピタルにとっても非常に重要です。もし私たちVCのキャッシュフローが回らなくなったらスタートアップのキャッシュも回らなくなる可能性があります。

(クリント)VCはどんな状況下でキャッシュフローの問題を抱えますか?

(ジェイソン)VCがキャッシュを必要とする場面は2つあります。スタートアップ企業に投資をする際と、マネジメントフィーの中から社員に給与を支払う際です。その際、キャッシュを確保する方法は投資家にキャピタルコールを行うか、ポートフォリオ企業を売却するか又は上場させるか、に限られます。

キャピタルコールをする際、 もし1億ドルのファンド枠を設定していれば、1億ドルの資金を調達できます。が、予期しない事態に備え、1億ドル全額をコールするのはあり得ないでしょう。おそらく85%か90%をコールすることになります。1億ドルのファンドを運用していて、マネジメントフィーも考慮に入れると、VCが実際に投資に回すのは約7,500万ドルまたは7,800万ドルになるでしょう。

そのように考え始めると、「ああ、このビジネスを回すためにはたくさん収益を生み出さなければならない」と思うのですが、それが私たちVCの仕事です。ファンド運用成績が損益分岐点を上回っているVCでも、この悩みは常に付きまといます。

VCのファンド運用がうまくいかず、キャッシュの確保に苦労している場合、その影響はもちろんその投資先企業にも及ぼします。

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