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米国で水素関連スタートアップへの投資が増加中。だが慎重姿勢は崩さないVCたち

https://pitchbook.com/news/articles/hydrogen-vc-investors-climate-tech-startups

https://pitchbook.com/news/articles/hydrogen-vc-investors-climate-tech-startups。調達額は過去最高を更新したが、投資件数は2022年を下回っている。

米国市場における水素関連スタートアップへの投資額が件数・金額ともに過去最高との記事をPitchbookで読んだ。以下、概要である。

  • 2023年1月−11月の期間で、合計28件・14億米ドルが水素関連スタートアップ投資に充てられた。

  • そのうち代表的な投資案件としてElectric Hydrogen(MicrosoftのCliimate Innovation Fund等が出資)が挙げられる。同社は23年7月にシリーズCの資金をバリュエーション(ポスト)1,080百万米ドルで380百万米ドル調達した。

  • 背景には、バイデン政権がインフレ抑制法の下、水素ハブ事業に対して70億米ドルの補助金を支給する、との政策的後押しもあるのだろう。

  • 一方、気候変更関連技術に投資を行うベンチャーキャピタルは水素関連スタートアップに対する新規投資を控えている。まだまだビジネスとして成立するか不透明であることや、水素エネルギーの漏洩リスク等、確証が持てない要素が複数存在するからだ。

  • Gigascale Capitalのパートナー、Victoria Beaseleyは「水素エネルギーは万能薬だ」という風潮に懐疑的であるし、Lowercarbon Capitalも、同業他社よりも水素エネルギーへの投資をためらっていると語っている。

  • グリーン水素経済がまだ黎明期でありそのスケーラビリティは不透明であることと、将来の規制動向が不透明であることから、投資を躊躇している模様だ。

  • 一部の投資家が躊躇しているにもかかわらず、米エネルギー省や石油・ガス企業によって、この分野には巨額の資金が投入されており、2024年には公益企業や石油・ガス企業による戦略的M&Aが活発化する可能性がある、というのがPitchbookのアナリストの見立てである。

水素関連スタートアップのように、研究開発を起点とするスタートアップのExitはM&Aがメインシナリオだと思う。2024年、初の水素系スタートアップのExitが実現するのか、注目である。

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