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スタートアップが失敗する理由の大半は顧客が欲しいと思えるものが作れなかったから

スタートアップ情報やベンチャーキャピタルに関するデータベースとレポートを提供するCB Insightsで、もうかれこれ5年ほど発行しつづけているレポートが「Why Startup Fail(なぜスタートアップは失敗するのか)」である。この2021年8月版に基づけば、スタートアップが失敗する理由のトップ12は以下の通りとのこと。

<スタートアップが失敗する理由トップ12>

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(ソース:"The Top 12 Reasons Startups Fail")

上記12の理由を全部足し合わせても195%になってしまうので、これは理由は一つに絞れるものではなく複数の理由が重なって失敗した、ということだろう。失敗理由のトップは「資金が尽きた・資金調達に失敗した」、2番目の理由は「顧客ニーズがなかった」となっているが、元記事をきちんと読んでみると、ここで挙げられている理由は表層的な内容で、もう一段下の層に理由を深掘りできるのではないかと思う。つまり、この12の要因は「顧客ニーズが無かった」「人(チーム)に問題があった」「外部環境がよくなかった」の3つの要因にさらに大別できるのではないかと思う。そして大半の失敗要因は「顧客ニーズが無かった」に収斂されると考えている。

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3つの大別はかなり自分自身の勝手な独断も入ってくるのでご了承いただきたいが、まず1番目の理由の「資金が尽きた/資金調達に失敗した」というのは、創業者がついうっかり資金繰管理を忘れていて気づいたら資金ショートした、という事由はさておき、そもそもベンチャーキャピタル等の投資家DDにおいて、顧客ニーズ、さらには顧客ペインポイントを手触り感をもって説明できなったことが真の理由なのではないか。「競合に負けた」「プロダクトがお粗末だった」、という理由も、本当に原因は顧客ニーズに沿ったプロダクトが提供できなかった、というのが真の理由なのではないか。Y Combinatorの創始者ポール・グレアムも自身のブログで「本当に美味しい料理を作っているレストランであれば混んでいても、高くても、うるさくても顧客は来る。一番危険なのは競合と比べても平凡な料理を作っていて、他の要素の部分(内装を綺麗にする、など)で勝負をしているレストランだ。顧客が本当に求める美味しい料理を提供すれば潰れることはない」と言っている通り、やはり顧客ニーズに沿っていない、という理由に行き着くのではないか。

市場ローンチのタイミングを誤った、規制面でどうしようもなかった、経営者や投資家とのいざこざがあった、などその他も理由があるが、一番大切なのは「顧客が欲しいと思うプロダクトを作っているか」であると思わされたデータだった。

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