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AirBnBへの投資をパスした7人の投資家(たちの言い分)

この12月、ついにNASDAQ上場を果たしたAirBnB。この記事を書いている2020年12月24日(日本時間)時点では時価総額$9.4Bnであり、2008年創業した当時のAirBnBを知っている投資家・顧客・従業員たちはここまで大きな企業に成長したことについて、改めて感慨深いことだろう。

この1年は、AirBnBにとってコロナ影響に伴う売上激減・赤字拡大と上場時期延期、そして営業人員のリストラ及び戦略の見直しの結果、収益力が回復し無事上場にたどり着く、と非常に大変な一年だったのだろう。そうした荒波を乗り越え、結果を出し続ける彼らのようなスタートアップ経営者には改めて尊敬の念を感じずにはいられない。

だが彼らにとっての荒波はこれが最初ではなく、どうやら2008年創業当時からずっと続いてきたらしい。そんなことがわかる創業者Bryan CheskyのMediumを見つけたのでここでシェアしておく。

自分がシリコンバレーに駐在していた2016年当時、AirBnBは時価総額$10Bnを越す超優良スタートアップであり、もし投資家が彼らにお金を入れたければ、それはもう「あなたの会社にお金を入れさせてください、我々を入れてくれればこんないいことがありますよ」と強く示さなければ、投資家になることのできない銘柄になっていた。一方でこのMediumを見ると、2008年創業時はそんな状況ではなく、投資家を募ろうにも投資を何度も謝絶されたことがわかる。7人の投資家に会いに行き、2人からは回答無し・残り5人からは以下のような短文で素っ気ない断りのメールが添付されている。

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(意訳)ブライアンありがとう、けどこのエリアは我々のフォーカスエリアではないんだ。グッドラック!

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(意訳)返事が遅れてすいません。社内で話したんですが我々の投資エリアには入らないです。潜在市場規模も大きいとは思えないし、我々の求めている投資クライテリアには入りません。

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(意訳)電話をかけてくれたのに出られずすいません。1日中外に出ていたんです。AirBnBのこれまでの事業の進捗を知れて嬉しいけれど、現時点では投資することはできません。

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(意訳)パートナーとも話したけれども、我々の投資のフォーカスエリアには入らないし、(マネタイズまで)とても息の長い事業モデルになりそうだし、我々にはあなた方に提供できる専門性もありません。

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(意訳)投資しないことに昨日決めました。「旅行」という事業カテゴリはそんなに魅力的なカテゴリに感じないんです。

まとめると、「プロ投資家(ベンチャーキャピタル)だって間違えることはある。自分のビジネスが正しいと思ったらそこでくじけるな」ということである。

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