2023-2024シーズンから始まったNBAのインシーズントーナメントとは
NBAのインシーズントーナメント(※レギュラーシーズン中に開催されるトーナメント)が先週11月3日からついに始まった。今シーズンから開始される新たな試みであり、「そもそもインシーズントーナメントとは何か」「どのようなトーナメントなのか」「なぜ始まったのか」などの疑問について答えてくれるサイトをESPNで見つけたので(冒頭リンクご参照)、以下概要を和訳しておきたい。
個人的な感想であるが、優勝チームのメンバーは一人あたり50万ドル(約75百万円)の報奨金がもらえるらしいが、超高額サラリーを授与するNBA選手(特にスーパーマックス契約を結ぶスター選手)にとって、この報奨金をめぐってトーナメントに本気で取り組むインセンティブがどこまで選手そしてチームにあるのか疑問である。
ただでさえレギュラーシーズンの試合数が82試合と多いNBA。選手のことを思えば怪我なくレギュラーシーズンを過ごし、プレイオフに集中してほしいが、ファンとしてはインシーズントーナメントのおかげで白熱した試合がシーズン中に観ることができるかも知れないのは楽しみであり、少し複雑な気持ちではある。
インシーズントーナメントとは何か
NBAの30チームを5チームずつ、6つのグループに分けて戦うトーナメントである。
グループステージの4試合は、11月の7日間、金曜日4日(11月3日、10日、17日、24日)と火曜日3日(11月14日、21日、28日)に行われ、グループ優勝チームがノックアウトランドに進出する。
準々決勝は12月4日と5日にシードの高いチームで、準決勝と決勝戦は12月7日と9日にラスベガスで行われる。
優勝チームの各選手に50万ドル、準優勝チームの各選手に20万ドルが与えられる。準決勝で敗れた選手にはそれぞれ10万ドル、準々決勝で敗れた選手にはそれぞれ5万ドルが与えられる。
また、インシーズントーナメントの最優秀選手賞やインシーズントーナメント版オールNBAチームも発表される。
なぜインシーズントーナメントが始まったのか
NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、実は何年も前からこのインシーズントーナメント構想を描き、そして実現させようとしていた。しかし、コロナ禍に開始されたプレーインゲームと同様、彼が関係者を納得させるまでには長い時間がかかった。そしてこの度、ついに念願のトーナメントを開始できるようになったのだ。
開始する目的は何よりもリーグが儲かるからである。NBAは、WNBAのようにインシーズントーナメントの放映権をメディアに販売することで新たな収益源になると考えている。また、スタジアムに来る観客からの収入増加も見込まれる。
トーナメントが開催される11月初旬から12月第1週までの期間は、NBAのスケジュールの中では取り立てて目立ったイベントがない。10月のレギュラーシーズン開幕は盛り上がるが、その後は12月下旬のクリスマスゲームまで取り立てて注目すべき試合やイベントがない。また大学のフットボールやNFLのレギュラーシーズンも並行して開催される時期でもある。インシーズントーナメントが、11月初旬から12月初旬までの期間、NBAの視聴者数を増やすことにつながればその目的は達成されることになる。
コミッショナーのアダム・シルバーは長い間欧州のサッカーリーグに魅了されており、今回のインシーズントーナメントの基本的なコンセプトは欧州サッカーリーグのトーナメントにその着想を得ている。欧州リーグでは、年間を通じて最も多くの勝ち点を獲得したチーム同士のレギュラーシーズンのチャンピオンシップがあり、その後、リーグシーズンと同時に開催される別のトーナメント(または、リーグによっては複数のトーナメント)がある。
しかし、ヨーロッパのトーナメントはリーグ戦のスケジュールが終了した後でで行われるのとは異なり、今回のインシーズントーナメントはレギュラーシーズンのスケジュールと並行して行うことになる。
トーナメントの組み合わせ
イースタンカンファレンス、ウェストカンファレンスそれぞれの各15チーム・全30チームを、昨シーズンの順位によって5つのグループに分けた。グループ1にはレギュラーシーズンの成績が1位ー3位のチーム、グループ2には4位ー6位チーム、グループ3には7位ー9位のチーム、グループ4には10位ー12位のチーム、グループ5には13位ー15位のチームを入れた。そのグループ1から5までのチームをグループAからCに分けた結果が下記の通りだ。
イーストグループA :フィラデルフィア・76ers、クリーブランド・キャバリアーズ、アトランタ・ホークス、インディアナ・ペイサーズ、デトロイト・ピストンズ
イーストグループB:ミルウォーキー・バックス、ニューヨーク・ニックス、マイアミ・ヒート、ワシントン・ウィザーズ、シャーロット・ホーネッツ
イーストグループC :ボストン・セルティックス、ブルックリン・ネッツ、トロント・ラプターズ、シカゴ・ブルズ、オーランド・マジック
ウエストグループA :メンフィス・グリズリーズ、フェニックス・サンズ、LAレイカーズ、ユタ・ジャズ、ポートランド・トレイルブレイザーズ
ウエストグループB :デンバー・ナゲッツ、LAクリッパーズ、ニューオーリンズ・ペリカンズ、ダラス・マーベリックス、ヒューストン・ロケッツ
ウエストグループC :サクラメント・キングス、ゴールデンステイト・ウォリアーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、オクラホマシティ・サンダー、サンアントニオ・スパーズ
インシーズントーナメント成績がプレーオフ進出に与える影響
影響はない。リーグ関係者の間では、トーナメント優勝の褒賞としてプレーオフ進出を保証することについての議論もあったが、最終的にその案、あるいはチームに更なるインセンティブを与える他の案は制定されなかった。
インシーズントーナメントの日程
(日付はすべて米国東部標準時間)
11月3日(金)
ニューヨーク対ミルウォーキー|イーストB
ダラス対デンバー|ウエストB
クリーブランド対インディアナ|イーストA
ワシントン対マイアミ|イーストB
ブルックリン対シカゴ|イーストC
ゴールデンステート対オクラホマシティ|ウェストC
メンフィス対ポートランド|ウェストA
11月10日(金)
ブルックリン対ボストン|イーストC
L.A.レイカーズ対フェニックス|ウェストA
フィラデルフィア対デトロイト|イーストA
シャーロット対ワシントン|イーストB
ニューオーリンズ対ヒューストン|ウェストB
ユタ対メンフィス|ウェストA
ミネソタ対サンアントニオ|ウェストC
LAクリッパーズ対ダラス|ウェストB
オクラホマシティ対サクラメント|ウェストC
11月14日(火)
サンアントニオ対オクラホマシティ|ウェストC
LAクリッパーズ対デンバー|ウェストB|午後10時
マイアミ対シャーロット|イーストB
アトランタ対デトロイト|イーストA
インディアナ対フィラデルフィア|イーストA
オーランド対ブルックリン|イーストC
ダラス対ニューオーリンズ|ウェストB
ポートランド対ユタ|ウェストA
ミネソタ対ゴールデンステート|ウェストC
メンフィス対L.A.レイカーズ|ウェストB
11月17日(金)
フィラデルフィア対アトランタ|イーストA
サクラメント対サンアントニオ|ウェストC
フェニックス対ユタ|ウェストA
ミルウォーキー対シャーロット|イーストB
ニューヨーク対ワシントン|イーストB
デトロイト対クリーブランド|イーストA
ボストン対トロント|イーストC
オーランド対シカゴ|イーストC
デンバー対ニューオーリンズ|ウェストB
L.A.レイカーズ対ポートランド|ウェストA
ヒューストン vs LAクリッパーズ|ウェストA
11月21日(火)
クリーブランド対フィラデルフィア|イーストA
ユタ対L.A.レイカーズ|ウェストB
トロント対オーランド|イーストC
インディアナ対アトランタ|イーストA
ポートランド対フェニックス|ウェストA
11月24日(金)
ボストン対オーランド|イーストC
フェニックス対メンフィス|ウェストA
マイアミ対ニューヨーク|イーストB
サンアントニオ対ゴールデンステート|ウェストC
シカゴ対トロント|イーストC
デトロイト対インディアナ|イーストA
デンバー対ヒューストン|ウェストB
ワシントン対ミルウォーキー|イーストB
サクラメント対ミネソタ|ウェストC
ニューオーリンズ対LAクリッパーズ|ウェストA
11月28日(火)
ミルウォーキー対マイアミ|イーストB
ゴールデンステート vs. サクラメント|ウェストC
シカゴ対ボストン|イーストC
トロント対ブルックリン|イーストC
アトランタ対クリーブランド|イーストA
シャーロット対ニューヨーク|イーストB
オクラホマシティ対ミネソタ|ウェストC
ヒューストン対ダラス|ウェストB
準々決勝
12月4日(月)(4試合)
準決勝
12月7日(木)(2試合)
決勝戦
12月9日(土)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?