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ベンチャーディールズ(33) Co-Sales Agreementとは / Venture Deals - Co-Sale Agreement

以下、米国VC・Foundry GroupのBrad FeldやJason Medelsonが毎年2回提供しているオンラインコース(無料)、Venture Dealsの講義内容が素晴らしかったのでまとめてみました。

今回は「Co-Sale Agreement」のセッションを和訳してみました(和訳することについてはBrad Feld氏と直接コンタクトし、許可を得ております)。他の講義も順次アップしていく予定です。是非ご一読下さい。

なお、Venture Dealsについては、本でも出版されており、またこちらもベンチャーキャピタルを理解する上でとても勉強になるシリコンバレーVCのバイブルなので、是非ご一読ください。

(以下、講義和訳)

Co-Sales Agrementとは何か。これは簡単に言うと、「あなたが売るなら、私も売る」という取り決めです。

(クリント)共同売却(Co-Sales Agreement)について教えてください。

(ジェイソン)この条項は、創業者が株式を売却する場合、他の株主もあわせてプロラタで株式が売却しますよ、ということを取り決める契約です。タームシートの文言交渉ではそこまで議論になりません。極めてシンプルな内容だからです。

共同売却の契約は通常、創業者・普通株を保有する株主・優先株を保有する株主の間で行われます。創業者が保有する株式の一部を誰か第三者に売ろうとした場合、VCまたはその他投資家が入ってきて「ちょっと待って。なんでその株売るの?我々の株も売りますよ」と言って、創業者と一緒に売却するのです。

この共同売却に関する条項のおかげで、VC、またはプロの投資家は、CEO と共同売却の権利を得ることができます。たとえば創業者 が 100 万株を売却する相手を見つけた場合、共同売却契約の下では、創業者は 100 万株のうち、保有比率に応じた株式数しか売却できません。たとえば創業者が会社の 20% を所有している場合、売却対象となるは 200,000 株に減り、他の投資家が 800,000 株を売却する権利を得ます。

これは創業者が自分の会社に株式を売りすぎて、ポケットマネーを大量に入手し、自分の会社の事業運営に関心が無くなることを防ぐための方法です。

(クリント)株式の共同売却のケースは実際にどのくらい見たことがありますか?

(ジェイソン)それほど多くはありませんが、おそらく年に数回はあった記憶です。これまでのVC人生トータルでは30回くらいですかね。実際に共同売却が起こることは滅多にないですが、確かに起こり得ます。

(ご参考:Foundry GroupのタームシートにおけるCo-Sale Agreementの例)"The shares of the Company’s securities held by the Founders shall be made subject to a cosale agreement (with certain reasonable exceptions) with the Investors such that the Founders may not sell, transfer or exchange their stock unless each Investor has an opportunity to participate in the sale on a pro-rata basis."

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