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アフターコロナの恋愛はどうなる?⑤最終回

さて。これでシリーズを完結することにします。

ここまで、おっさんの恋愛妄想にお付き合いただいたかた、ありがとう!そして、ありがとう!

最初から読みたい人のために、①だけリンクしとくね。

* * *

前回は、恋愛は心でするものか、身体でするものかという問題提起をしたところまでの話。

で、従来の僕的な「恋愛とは?」の概念は、「粘膜の接触を許すること」と考えていた。

そうなるとね、ネットだけで男女の関係が進展というのは考えにくいわけ。

身体で恋愛するというのは、最終的な性的な快楽を求め合うということだけじゃなくて、手を繋ぎたいとか、側にいたいとか、良い匂いがするとか、そういう身体的に感じること全てが含まれる。

リアルで会わないでどれだけ愛を育めるかということになると、昔から遠距離恋愛はそれに近いものがあるけど、たいてい結果が二極化する。

より愛が深まって結婚に向かうか、距離と同じく気持ちが離れてしまう。
「時々会うくらいでちょうど良いので、むしろ楽」と、淡々と遠距離で付き合っているカップルもたまに見かけるけど、そのバランスを長年維持出来る人って凄いなと思う。

いずれにしても、遠距離恋愛にとって、ネットは強力なツールになった。

WiFIがあればLINE等で長電話しても通話料の心配もない。なんなら相手が海外にいても同じである。音声だけじゃなくて、写真や動画、あらゆる情報が瞬時にやりとりできる。

蛇口から水がでるくらいの感覚でネット環境があるデジタルネイティブ世代にとっては、おっさん何言ってんだ?ってなると思うけど、これはすごいことなのだ。

なので、毎日会えるわけじゃないけど、次回のデートまでの日を埋めるツールとしてのネットならわかる。

ところがだ。

ネットで出会って、一度もリアルで会ったこともないのに「私たち付き合ってます」みたいなことはありえないのだろうか?

僕が知ってる範囲で、そういった人はいないのだけど、実際にネット越しに愛を育んでいるカップルというのは、現代には、実在すると思うのだ。

悪魔の証明と同じで、そんなカップルは実在しないということはできない。

ひたすら職場と家の往復しかしていない人をみて、どうやら彼氏がいるらしいなんて思われることもないだろうし、「あんたの彼氏、今度紹介してよ!」「私も会ったことないからネット上なら紹介するよ」っていうことになっても困るので、周囲に話すこともしずらい。

だから、誰にも言えず、二人だけの世界をバーチャルで楽しんでいるにちがいない。

自分も含め、中年以上のおじさんには俄に信じがたい・・・

そうだ。急に思い出した。

以前アメーパピグってとっても流行ってさ。
二十歳前後の子は知らないかもしれない。

僕は流行に乗れず結局やれなかったのだけど、あの、アメーバピグの中でナンパっていうのがけっこうあるというのが、当時の噂で聞いたことがある。

そうなると、その延長で、ピグの中でデートというのも、きっとあっただろうね。

今だったら何だろう。やっぱり「どうぶつの森」?

アメーバピグはPCだったけど、どうぶつの森はゲーム機でできるので、小中学生ももけっこうやってるでしょ。ちょっとこれ、なかなか危険なんじゃない?

荒野行動で殺し合いするよりも、どうぶつの森でナンパされる方が危ないなんて、大人達は考えているだろうか。

その話はまあ良いか。どちらも素晴らしいゲームだ。使い方をわきまえて、各自、自己責任で楽しもう。

バーチャル恋愛ツールとしては、どうぶつの森はけっこうありかもなと思うのよ。

結婚相談サイトは、紹介して終わりじゃなくて、バーチャルの世界でデートするようなシステムを作ったら、きっと売れると思うよ。
Netflixとshowroomみたいなシステムを合体させて、チケットを2枚購入して、ネット上で一緒に映画を見に行けるとかね。(これ、すごいビジネスアイディア!)

* * *

そうやって、色々な方法でまったく会ったことが無い人と、身体的な接触がないまま恋愛が進展するとすれば、かなり高度な精神世界ということになる。

もう、宗教だよね。低層の欲求段階を昇華して、バーチャルの世界で自己実現に向かってしまうということだ。

故人と続けるバーチャルな恋も近いものがある。
お互いに生きていても、今は会えないような状況なら、そうなっても不思議ではない。

「結婚を前提にお付き合い」という言い方があるけど、バーチャルカップルの最終形は、子孫を残す手段という壁にぶつかると思う。

たぶん、こういったカップルは快楽のための性欲は超越している。
しかし、次世代の子孫を残すためには、生物学的な営みに回帰するしか、今のところ方法はない。

昭和の中頃までは、親が決めた結婚に逆らえず、結婚式直前や、下手すると当日に初めて相手に会ったという話は珍しくなかった。結婚祝賀会の翌日、酔い潰れた新郎の兄弟が何人も雑魚寝しているため、みんな写真で見た顔とよく似ており「どの人が、私の旦那様ですか?」って訪ねた、なんていう話も高齢の方に聞いたことがある。

ひょっとしたら、これに近いことが未来には起きるかもしれない。

もちろん、ネットを駆使して情報交換するので、昔のように写真一枚しか頼れるものが無いのとは訳が違う。毎晩一緒にビデオ通話しながら晩酌している仲かもしれない。

それでも、ネット上でプロポーズをして、始めてリアルに会うのは、結婚直前というケースは今後出てくるように思う。

* * *

もし、このままコロナ禍が続けば、本当にそういう世界が当たり前になるかもしれない。

先日のニュースでも、日本医療研究開発機構(AMED)理事長の末松誠医師は、「終息の時期はわからない」と会見で答えている。

僕らの青春時代のように、ドキドキしながら恋人の手を握るような世界は、いつ帰ってくるのかわからないということだ。

男なら、押し倒してなんぼだろう!くらいに思っていたのだけど、若い子がバーチャル恋愛に走っても、温かい目で見守らないとね。

今、離れた恋人に会いに行けないカップルや、片思いの彼に会える場を奪われて寂しい思いをしている人も沢山いるだろう。

寂しいと思ったらはばかることなかれ。
ネットを駆使して、少しでも気持ちを近づけていこう。
それは、特殊な技術ではなく、スマホ1台で、いつでもどこでも世界中繋がれるようになったのだから。

そして、抱きしめられる相手が目の前にいる人は、その意味を、大いに噛みしめなくてはならないね。

シリーズ「アフターコロナの恋愛はどうなる?」 - 完 -

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