生活に音楽を。一生ゆるく弾く。
趣味の話になると、音楽のことは語らないわけにいかない。
楽器を弾かない人からすると、大人になっても趣味として楽器を弾いて楽しんでいるというのはかなり特殊なことで、バンドマンだったり、アマオケに入っている等を除けば、ほぼ習い事のイメージしかないように思う。
自分流、音楽の楽しみ方
僕の場合は上のどれにも当てはまらなくて、最近は、「ただ家で弾く」というのが一番の楽しみ方となっている。
本当は、バンドなりやれたら楽しいのだけど、仕事も家庭も充実する中、定期的に参加することができない。
それが例えば何かのイベントに向けて個人練習を積み、短時間でリハスタでバッチリ合わせて当日に望むみたいなことなら可能だと思うんだけど、バンド仲間というのはなかなかそのようにはならない。
目的もなく長時間遊ぶような時間は、今の生活からは捻出できないでいる。ロックバンドになると、音楽のためというより、集まる目的にお酒がついて回るようになったら完全にアウトで、過去にもお断りしてバンドを抜けた事がある。
で、どうしているかというと、「ただ家で弾く」というところに落ち着いているのだ。それも、一回5分とか。食後の一服感覚でちょっと弾いたりする。気分が乗れば30分くらい弾いていることもある。
それって楽しい?
僕は楽しいと思ってやっています。
まあ、ほとんど自慰行為と言われてもしかたない楽しみ方ではあるけれど。
とはいえ、まったく人前で演奏する機会がないかというと、そういうことでもなくて、仕事先の依頼で、ちょっとした演奏会をすることはある。
僕の場合は職業柄、それはお寺だったりすることが多いけど。
さっきから、楽器、楽器って、ところで何を弾くの?ってことだけど、過去にやってきた音楽歴と一緒に振り返ってみたい。
音楽歴
小学校の6年生の頃に、父親にクラシックギターを触らせてもらう。
当時の世相を知っている人ならわかると思うが、別にクラシックを弾くわけではなく、フォークをやるんだけど、スチール弦のギターは高嶺の花で、お手頃なクラシックギターを弾いていた人も多い。
中学に上がって、エレキギターを買ってもらった。当時はまだ、エレキギター弾くと不良というイメージが半分残っていた。実際に、学校にいるの悪そうな連中は、本当にまあまあギターが上手かったりした。
そんな時代だったので、親が応援してくれることは少なかったと思うのだけど、僕がギターに興味を持ったことは、たぶん父も嬉しかったんだろうな。
中高生時代は、どっぷりロックにはまった。BOOWYが解散、ZIGGYが復活、Xの全盛期、ロックがお洒落な音楽で、女の子達もMr.Big、ボンジョビ、エアロスミスなんかを聞いていた。つまり、そういうのを弾けるとモテた。
大学に入って1人暮らしをした。ギターを持っては行ったけど、1人暮らしのアパートは実家のように音を出すことも出来なかった。大学の軽音部に何度も誘われたけど、学校外のボランティアリーダーとして活動するようになり、そっちの方が忙しかった。
学生時代も終わり頃、アイリッシュミュージックに出会った。アイルランドの伝統音楽だ。ギターはもともと触れたのだけど、ここで変速チューニングも覚えた。フィドル(ヴァイオリン)、ティンホイッスル、アイリッシュフルート、ブズーキやマンドリン、テナーバンジョーなど多くの楽器を手に入れた。学生時代に付き合っていたのが今の妻で、ハンマーダルシマやボタンアコーディオンを弾く。恐ろしいことにこれらの楽器は今、全部家にある。そして、今も全部弾く。
社会人になってふと思ったのが、鍵盤だけ弾けないっていうのがコンプレックスだった。父にギターは習ったけど、エレクトーンを弾く母を横目でみながら、全く興味を持てなかった。
20代の中頃、鍵盤を弾いてみたいと急に思い立たった。エレピを買って、1人で弾き始めた。これまでの流れと同じで、教室に通う習慣なんてないので、見よう見まねで我流で弾いて今に至る。
そんなんでも、弾いてて楽しいくらいにはなるし、時々イベントでピアノ伴奏をやったり、バンドでキーボードを弾くこともある。
最近は、シンセとギターはほぼ毎日弾く。やっぱり、休憩時に5分弾いたりみたいな感じだけど。
音楽は生活
楽器を練習という感覚も無いし、頑張ってるわけでも、特別なレジャーというわけでもなくなって、今や生活の一部。たとえて言うなら歯磨きみたいな感覚で、毎日弾けなくても死ぬわけじゃないけど、弾けない日があるととても気持ち悪い。
子どもの頃にピアノ習っていたという人は多いが、大人になるとまったく触れないみたいなパターンがほとんど。こうやってゆるく楽器と一生関わるのは、なかなか楽しいと思っている。
楽器初心者向け情報収集すると、「我流は悪い癖がつくからダメ」、「基礎から先生について習うべき」という意見をかならず目にすることになる。
音大目指すとか、その道で食べていきたいということなら、その通りだと思うけど、気の合う仲間と音楽を楽しんだり、普段の生活を少し豊かにするための演奏なら、必ずしも先生や地道な基礎練習は必要ない。楽しくて、とにかく一日中鳴らしていたいという方がメリット大きい。
ロックやポップスは子どもの音感が悪くなるので、クラシックを聴かせるべき、なんていう話を聞いたときには、「お前のヘッドホンをフルテンのマーシャルにしたろうか?」と思ったくらいだ。誤解しないで欲しいのは、クラシックをディスりたいわけではなく、ロックも演歌も人生を変える素晴らしい要素を持っている音楽だということだ。演奏技術のうまい下手はあっても、ジャンルに優劣はない。
どうか大人のエゴではなく、子ども達には楽しい音楽を広げてほしい。
皆さんの子どもが楽器を始めたみたいと言い始めたら、教室に通う一択ではなくて、もっと多様な関わり方の可能性も考えてみてはいかがだろうか。
良い先生についた方が、楽しく続けられる人は、その方がいいだろう。
生活に音楽を。
最後までお読みいただき、ありがとうございます^^ いただいたサポートは、今後もよりよい記事を書くための情報集計費に充てたいと思います。よろしくお願いします。