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ロングライフデザインを探して・d&d公開商品選定会 加筆版

僕の店、D&DEPARTMENT(以下d)は、製造されこの世に生まれ販売されて30年くらい経過しているものを中心に取り揃えている店。
ずっと長く作り、使われ続けてきたデザインを「ロングライフデザイン」と呼びますが、その専門店です。

2000年に開業し、今年で19年目。お店もロングライフデザインを目指しています。現在国内に8店舗、国外に2店舗あり、その土地ごとに長く続いているものを選び、取り扱っています。ですので店ごとに品ぞろえが変わります。富山店は富山にずっと長く続いているものを紹介、鹿児島店も同様で、デザイン目線の観光物産店のようにも見え、若い観光客でおかげさまで賑わっています。

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2018年11月。韓国ソウル店で初めての公開商品選定会を行いました。店で取り扱う商品は、普段は各店でリサーチをして、実際に商品を取り寄せ、使って確かめた後、僕のところに送ってもらい、僕も実際に確かめて採用を決めています。
店にある商品は全てそうしたプロセスを経て店頭に並ぶ訳ですが、お客さんやメーカーなどから直接、オープンな場で持ち寄り、説明してもらって取り扱い商品を決めようという試みです。その2回目であるd富山店での公開商品選定会を、先日、行い約20商品を囲み、みんなで議論しました。

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そして、ざっくりと合格ラインをクリアした会社の現場を、一社づつお邪魔してきました。

エントリーした商品以外にも実は素敵な商品が他にあるかもしれないという点と、取り扱い条件の中に「作っている現場(工場など)が一般にも公開できること」という条件が満たされているか、何よりも僕自身が、この目で見てみたいという気持ちからの訪問です。

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ロングライフデザインなものは、時間が証明したデザイン性、ビジネス性。そして、商品に対するみんなの愛などが不可欠で、ただ、「売れている」という理由だけでは、続きません。




例えば、毎年、大きな市場に対して商品を開発している企業などは、例えば、取り扱い店がコンビニなどだとしたら「新しいもの」を常に要求されます。それは残念なことに、生活のより良い改善のためということではなく、消費者が「新しいもの」に反応することを受けた、「仕方のない新商品開発」とも言えます。

今の商品がどんなに素晴らしくても、全国チェーンのホームセンターが「新しいの、何かないですか?」と要求してくることに、常に対応し、少し形を変えてみたり、色を増やしてみたり、何か、本来は必要のないものを付け足したり、キャラクターをプリントしたり・・・・・・。

「新しい」「新型」「NEWモデル」は最良を目指す改善以外のことで、大半は生まれます。

つまり、新しいものにメーカーも消費者も注目している激流の中で、踏みとどまって、昔から変わらないデザインを、これからも変えずに販売し続けるということがロングライフデザインを持つ、作る、売るということで、とても勇気が必要です。

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