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d news aguiをつくる 21.3.26


すっかりご無沙汰してしまいました「d news aichi agui」の報告ですが、その前に「店」のあり方について、ここ急速に「民藝」そして「共同売店」から学んでいて、その一つの考え方をここに共有したいと思います。それは

「してあげたい」という気持ち。

全ては「何かをあの人にしてあげたい」と思ったらいいのではないか。今朝、沖縄滞在19日が経った朝、目覚めながらなんだか降りてきたように思いながら起きました。それは多分、怠け者の僕がこれから健やかに生きていくためのコツのようなものなんだと自分ゴトとして考え飲み込むことにしました。沖縄での共同売店からの学びは相当なものでした。そして、最後に立ち寄った共同売店経営者から「都会の人や大学の先生などは、共同売店を美化しすぎている」という指摘にもハッとしましたし、激しく共感できましたし、ある意味において自分のことを言われているとも自覚できました。


店とはそもそも自分のためにやるよりも、誰かのため、あの人のため、社会のため、みんなのためにやった方が健康的です。そしてそれは「継続」を意味しています。自然環境との関係や、町、地域との関係、そして、働く自分を含めたスタッフの継続。そこに無理があっては続かない。営業時間も定休日もそこから考え、取り扱うものや交流などもそこから考えていく。近隣に住み、その場所を利用する人たちの「理解、協力」をしないと続かな。なんでもかんでも「店主」のせいにしていては、店主はもたない。合理的に隣町のモールに車で週末大量に食材などを買いに行く人たちも、この機会に考えてほしい。「その買い物は、自分の地域の肥やしになっているか」ということを。一軒の店に集まり、そこで様々な交流をしながら町を育てていく。その場所の継続のために住人もお金をなるべく落とす。そして、行政も電気代くらい出してあげるなど、「店」は”その土地”に重要な「場所」なのだと思いました。そこには「町のみんなにしてあげたい」という思いがないと続かないし、買い物に来る人も「お客」としてではなく、参加者として「自分の町にしてあげたい(よくしたい)」と思いながら利用したり、買い物したりお茶を飲んだりすることで、その町はゆっくりいい町になっていく。「共同売店」とはそういう場所であり、d newsもそんな場所になりたいと思いました。

ちょっと長くなりますが、以下は地元の新聞社からの取材に対して僕が答えたテキストです。ここに共有します。

Q1・d news設立のきっかけになった講演会では何をテーマに話しましたか?

d newsと講演会は実は関連性はありません。
d newsを作ったら、こういうゲストを定期的に呼び、みんなで文化意識を高められるよ、という意味では、関連性がありますが・・・・・。
講演の内容は、建築家の長坂常さんには「町の風景として残っている建築をどう活用するか」ファッションデザイナーの皆川明さんには「機屋の産地として何をすべきか」コミュニティデザイナーの山崎亮さんには「これからのローカルのあり方」についてでした。


Q2・プレオープン後の利用のイメージは?

併設したギャラリーでまず、何かを企画します。まだ未定です。
基本的に会員、予約制で営業しようと考えています。
阿久比町の住人の皆さんには、特別に何か考えています。
基本的には沖縄の共同売店に学ばせてもらった「阿久比町のため」の店を目指します。


Q3・地元の人にはどのように使ってもらいたいですか?

今、カフェなどのメニューを基本全て「テイクアウト」にしようと考えていて、
カフェとして計画していた場所は、全てフリーで座れるように考えています。
そのかわり町民のみ「予約」ができるように、など、特別な待遇をしたいと思っています。
基本、阿久比町民のための場所を目指し、作ったものを持ち込んで頂いたり、
テーブルを予約で貸し出して、住人同士の場所として使ってもらいたいと考えています。
もちろん町外の皆さんにもきて欲しいです。この町民のための場所であり、開かれた場所という考え方が
皆さんによって伝播されて広がっていくといいなと思います。


Q4・キッチン、ワークスペース、飲食スペースのほかどんな設備を整える予定ですか?

基本的なd newsの構成は「レンタルキッチン」「カフェスペース(フリー)」「ゲストハウス」「ギャラリー」「ストア」です。
ゲストハウスは「一般宿泊」ではなく、「ギャラリー」を使う作家さんなどを遠方からお呼びした際、
宿泊して頂く場所(無料)と考えています。
ストアは阿久比町のものを中心に、知多半島、愛知県、全国・・・・という順番で品数を多くしていく予定です。


Q5・地場産品はどのようにして集めるのですか?

とにかく焦らず、一つ一つを作られた方とお会いしながら集めようと考えています。なので、最初は愛知県外のものが多くなるかもしれませんが、少しづつ、その比率を逆転させていこうと考えています。とにかく焦らず、時間をかけてやっていく考えです。


Q6・クラウドファンディングの目標額達成、オープンに際しての思いは?

正直、1,500万という高額が集まるとは考えていませんでした。
一方、実際にはおそらく総額は3,000万はかかることは予想していましたので、
町の皆さんと一緒に「町の店」を作る考えでいましたので、一人でも多くの方に、その意思やコンセプトを伝えて共感、関心を頂くことが大きな目標でした。結果、集まらなければ、「そういう場所は必要ない」と皆さんが思っていると判断、解釈し、プロジェクトは諦めようと考えていました。
しかし、結果、大きく阿久比町民の皆さんを中心とした資金応援となりました。本当に関係者のみんなと喜びを噛み締めました。
このプロジェクトは「チーム愛知」と僕が名付けた愛知県内の6人の協力と、阿久比町商工会青年部、特に加藤さんの励ましや協力なくしては成し遂げられなかったので、感謝していると同時に、このメンバーで引き続き、この場所を活用していく考えです。これからは「町のための場所」がますます注目され、必要となっていくと思います。
この「d news aichi agui」が、阿久比町の町に暮らす人たちにとって、欠かせない「町で集まる場所」に
なっていったらいいなと考えています。

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ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

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