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d news agui物語.10 「活性化する前に」

ローカルって都会と違い、全てが人の気配があって、全てがゆっくりで手作り。そこに都会から来た人は憧れ、触れてみたいと思う。

僕も35年の東京生活を経て、今、沖縄と故郷の愛知県阿久比町でプロジェクトを進めていますが、最近、一つ、嫌な思いをしました。
自分が公言して改革しようとしているところに、同じことを言って、かぶさってくるような同じ都会育ちの企画者が現れたのです。

その人は、きっと僕が思っていることなど気にせず「自分がその土地でやりたいこと」をしようとしているだけだと思っている。
そして、自分がやることが、「その土地のためになる」と思っている。だから、堂々とやろうとする。

僕も東京から来て、同じスタンスでわが町について挑もうと思い、トークショーを開いたりして、都度、自分の考えを大きな声で伝え、そして、実行してきました。
しかし、そこには、僕が来る前から、同じような問題意識を持ち、町のために頑張っている先駆者がいる。

その人の無神経とも言える行為に、僕は腹が立ちましたが、そうです、僕もおそらく、このひとと同じような、無神経なことをこの町にしてしまっているのでしょう。自分のそんな体験から、自分が同じようなことをしているのでは・・・・と、ハッとしたのでした。

例えば、隣町の半田市は、童話作家「新美南吉」の生まれたところ。代表作「ごんぎつね」は彼が育った半田の町から、わが町「阿久比町」の権現山(ごんげんやま)を舞台にして書いたもの。それを「ごんぎつねは、阿久比町のものでもある」と、冗談交えてみんなに話している自分がいて、最近「あぐいなり」なるおいなりさんを開発、特許もとり名物化しようとしています。ここには、昔から一生懸命に、新美南吉を伝えようと、地元の人に地道な努力をずっと昔からしてきた人たちがいます。僕はそんな人たちの存在を知っていながら、こんなことをしていました。

やはり、後から土地に住むならば、そこで何かをやるならば、先駆者を探し、その人に敬意を持ち、まずは自分がやりたいことの前に、その人がやろうとしていることを理解して、手伝う。その人の行動をサポートしながら、じっくりと土地の様子を観察し、学ぶ。そういう段階を踏めなければ、やはり、土地の上で活性化なんていう「活動」はしてはいけない、そう思いしったのでした。

自分のお金で土地を買い、家を立てれば、何をその土地で言ってもいいかといえば、そうではありません。

土地には、繰り返しますが、先駆者がいる。昔からの人もいれば、自分が移り住む1日前に住み着いた人もいる。

そういう人に気を使えないのは、本当に残念なことですし、自分が今、そんな体験を通じて、やらかしていることが必ずある、と、大反省をしながら、改めて、心に誓うのでした。
まず、あの人のことを応援しなくては・・・・。そして、あの人のこともみんなに伝えなくては・・・・・。

大反省の巻でした。

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ロングセラー「ナガオカケンメイの考え」の続編として、未だ、怒り続けているデザイナー、ナガオカケンメイの日記です。

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あの「ナガオカケンメイの考え」の続編です。基本的に怒っています。笑なんなんだょ!!って思って書いています。

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