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第7回 相続人の特定(必要な戸籍謄本等)| 学校では教えてくれない相続の話

行政書士の長岡です。相続の話、第7回目となる今回は、相続人の特定について解説してみます。

相続人の特定(その1)

第5回で相続人の順序やそれぞれの相続分について解説しました。

今回は、すべての相続人を特定する必要性と、特定する方法について解説してみます。

相続人を特定する必要性

相続分については法律でしっかり決められていますので、「一部の兄弟姉妹を除いて仲の良い人たちだけで勝手に分ける」といったやり方は通用しません。

ですので、亡くなった親の口座を解約するために銀行へ行っても、簡単には話が通らないんですね。たとえ兄弟全員で行ったとしても、「他に兄弟姉妹が一人もいないことを証明してください」みたいな対応をされてしまうでしょう。もしも他に兄弟がいたとしたら、その人から「私の分まで勝手に解約しては困る」と怒られてしまう可能性がありますから。

また、自分たちは3人姉妹だと思っていたとしても、亡くなった父親が若いころに認知した子(いわゆる隠し子)がいるケースなどもあり得ます。この「隠し子」にも相続分はありますので、やはり除外して話を進めるわけにはいきません。

そんなわけで、相続の手続きを進めるときには、あらかじめ相続人全員を特定しておく必要があるのですね。

相続人の特定方法

では、実際に相続が発生したときに、銀行などに対して「これが相続人全員です」という事実を、どうやって証明すればよいのでしょうか。

これはずばり、戸籍謄本等で証明することになるのですね。戸籍謄本には筆頭者に加えて配偶者と子などの情報が載っています。つまり、これが親子関係を公的に証明する資料になると。

最新の戸籍謄本だけでは足りない理由

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