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陽気山脈リプレイ③狂気山脈麓編
【ここまでのあらすじ】
ゼッテェ、声デッケェ。
今回は、いよいよ狂気山脈……の麓に行きます。麓まで。
よろしくお願いします。
※以下、シナリオ『狂気の峰へ』のネタバレが含まれます! 未踏破の方はご注意ください!
※なお、本キーパリングに関する文章は、KPのまくらさんが通ってきたRPを参考にさせていただいております。
KP「登山開始は一ヶ月後です。メンバーは、それぞれ情報収集してください」
※ここから先は、技能成功の判定をするダイスロールがあります。事前に振り分けた数値以下の出目であれば、技能成功です。
エーイチは、狂気山脈の詳細について調べた。
【登攀】 (1D100<=85) > 20 > 成功
○狂気山脈について
南極大陸の奥に発見された巨大な山脈。推定高度10,363 m。確認できる限りの世界最高峰であり、未踏峰。気象条件が厳しく、十分な調査ができていない。航空写真の分析から、登頂可能と思われるルートを割り出し挑むこととなる。6,000 mを越えたあたりから、雪が無くなり、漆黒の山脈となるようだ。9,000 m地点に、高い登攀技術を要求される岩壁「大黒壁(グレートブラックウォール)」が存在する。
近年、ニュージーランド航空の旅客機が行方不明になり、その捜索の最中に発見された。なお、行方不明の旅客機は未だ発見されていない。
エーイチ「怖い山だ……絶対踏破しなければ!」
一方テッペンは、狂気山脈第一次登山隊について探ろうとした。
【歴史】 (1D100<=20) > 89 > 失敗
しかし見つかったのは、楽しそうな山の図鑑だけだった。
テッペン「にこにこ」
エーイチ(今シャッターチャンスの予感がした!)
ゼッテェも同じく、第一次登山隊について調べた。
【追跡】 (1D100<=35) > 34 > 成功
○第一次登山隊について
第一次登山隊は、ニュージーランドの国家プロジェクトとして発足。新たな世界最高峰の登頂という偉業を成し遂げるため、世界最高の登山家たちを集め、潤沢な支援により実行された。
しかし、途中までは順調に進んでいたが、標高8,000mを越えたあたりで音信が途絶える。最後の通信では、メンバー達の言葉は支離滅裂で、まるで狂気にでも侵されたかのような様子だったという。
リーダーの残した、「ここは狂気の山脈だ、来てはならない場所だ」という言葉の不気味さから、ニュージーランドはプロジェクトの続行を断念。第二次登山隊はそのプロジェクトの断念を知ったケヴィン・キングストンにより、民間で発足された。
ゼッテェ「かなり大変な状況だが、私は希望を捨てることは絶対にない!!!!!」
エーイチ(今親友がまた雄叫んだ気がした)
そして登山隊結成から一ヶ月、メンバーは再集結した。
数日間の航海の末、登山隊はついに南極へと降り立つ。そこは厳寒の真白き大地。ペンギンたちが、奇怪なものを見るような目で出迎えてくれた。
ゼッテェ「ペンギンが可愛いな!!!」
エーイチ「美しい景色だ。伝説の始まりを写真に収めねば!」
エーイチ 【写真術】 (1D100<=80) > 42 > 成功
エーイチ「素敵な写真が撮れた。でも、すごく絶妙な位置にすごく笑顔のゼッテェさんが入ってる」
ゼッテェ「いい写真だな!!!」
エーイチ「テッペン君を撮りたいのに」
ゼッテェ「あとでデータをくれ!!!」
エーイチ「いいよ!!!!」
テッペンは、ペンギンを見ていて何も聞いていなかった。
登山隊は、手配どおりに南極調査隊の雪上車を借り、犬ぞりの犬たちとともに乗り込む。見渡す限りの純白の大地を進んでいく犬ぞり。どさくさに紛れてテッペンを写真に収めるエーイチ。
犬ぞりの御者を担うのは、オスカー財団のコージーだ。馬を乗りこなす優雅さで、右に左に手綱を引く。
ゼッテェ「犬頑張れ!!!」
コージー 「俺にも言え」
ゼッテェ「君も頑張っているな!!!」
テッペン「すごいですね」
コージー「そうだろ!」
エーイチ「いい人しかいないんだ、ここ」
![](https://assets.st-note.com/img/1677769111007-whCXr5sxAn.jpg?width=1200)
こうして数日の行程の末、ついに山脈の麓へとたどり着いた。南極の山々はおおよそ全てが氷河に埋まっており、辛うじて氷の上に山頂が突き出ている。
だが、まだ行程は終わりではない。気候が苛烈さを増す中、さらに氷河を進んで目標の座標へと向かう。眼前に広がるのは、どこまでも続く白銀の世界――。
K2 「……進めば進むほど、人類の文明から遠ざかっていく。ここには本当に、手付かずの自然しかない。まさに神の聖域だ。かつて、エベレストを登ったマロリーたちも、ここまで不安じゃなかっただろうな」
ケヴィンは感慨深げに、かつ期待に満ちた目で、行く手の山脈を見つめていた。
その数日後、ついに登山隊は目的地――天を劈く狂気山脈に突き当たった。
KP「……犬ぞりでの移動目標は標高 4,000 m地点まで。なだらかな斜面で危険地帯もなく、行程は順調だった」
KP「――3000m付近に差し掛かるまでは」
KPの不穏な一声は、当然だが必ず真実になる。
標高 3,000 m程に達した頃、異変は起きた。
「グルルルル……」
犬たちが唸り声を上げ、立ち止まったのである。コージーがいくら怒鳴ろうと、鞭を奮おうと、手綱を引こうとも、犬達は一歩も前へ進まない。それどころか何匹かはリードを引きちぎり、猛スピードで引き返していった。
残った犬は、足がすくんでいるようだ。登山隊の目指す先、狂気山脈に向かってけたたましく吠え続けていた。
コージー「おいおい、なんだ?」
テッペン「犬……」
ゼッテェ「いったい何があったんだ!!!」
エーイチ「K2さん、お心あたりは?」
K2「いや、わからない……」
犬は吠え続けるのをやめない。その他の犬も、唸るか、怯えて足の間に尻尾を巻き込んでいる。
テッペン「……ほかの犬も帰そう」
ゼッテェ「優しいな!!!」
エーイチ「優しい……絶対好き……」
K2「ふむ……まあ、仕方ない! アクシデントはつきものだよ」
高度計を確認し、ケヴィンが言う。
K2 「行程が 1,000 m伸びただけさ。行こう。山はもうそこにあるんだ」
エーイチ「写真を撮っておこう。犬のアクシデント」
ゼッテェ「みんなで力を合わせてがんばろう!!!」
K2「ああ、がんばろう」
KP「 ――それではこれより、狂気山脈本番です」
いよいよ次回、一行は狂気山脈へと足を踏み入れることになる。
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