見出し画像

【木曽】私道かぴさん短編演劇「木曽、わたしたちのまつり」@王滝村八幡堂上演レポート

NAGANO ORGANIC AIR木曽では劇作家・演出家の私道かぴさんが、3回のリサーチと滞在を経て、短編演劇「木曽、わたしたちのまつり」を制作。本作は、10月22日に王滝村・八幡堂で行われた「秋の後夜祭」と、23日に木曽町(旧日義村)・義仲館で行われた木曽ペインティングスのオープニングで、俳優の沢栁優大さんにより演じられました。

ここでは、10月22日に王滝村・八幡堂で行われた「秋の後夜祭」での初演をレポートいたします!

王滝村の新しい祭り「笑楽祭」と「秋の後夜祭」

昨年度末、王滝小中学校の中学校が休校に。
そして現在の小学校生徒数は11名。
少子高齢化が加速する王滝村では学校行事だけでなく地域で行う音楽会や文化祭を継続していくため、今年度から王滝小学校と王滝村社会福祉協議会、木曽ペインティングスがコラボし2022年10月22日に『第1回小学校芸術祭「笑楽祭」及び福祉健康の集い記念講演会』を初開催しました。

第1回小学校芸術祭「笑楽祭」小学生〜大人まで集まり全員で大合唱

 王滝村中の老若男女や木曽ペインティングス参加アーティストが集った王滝小学校体育館では合唱や合奏、ダンス、映像作品が披露され、小学生や地域の方が制作した作品が廊下を彩り、社協ではクッキーや焼き菓子販売など、年齢属性関係なくもりだくさんでにぎやかな芸術祭となっていました。

私道さんらと到着したときにはすでに芸術祭終盤。
締めくくりの近藤太郎さんの鯛みこし御嶽神社里宮奉納に同行
御嶽神社里宮にて鯛みこし奉納
鯛みこし奉納後突然はじまった木曽踊り

当初はこの芸術祭の中で私道さん作品を上演する話もありましたが、せっかくならば劇中の「三剣の舞」を実際に舞っている御嶽神社八幡堂で上演してもらうのはどうだろう?と、NOA木曽ホストRext滝越の倉橋さん、杉野さん、近藤太郎さんらが計画を立て、王滝小芸術祭の後夜祭という位置付けで「秋の後夜祭」を開催し、私道さん脚本演出の短編演劇「木曽、わたしたちのまつり」の初演をさせていただくことになりました。

御嶽神社八幡堂は、夏に行われる御嶽神社例大祭にて舞を奉納する舞台(撮影:やまぐちなおと)

初演「木曽、わたしたちのまつり」 

日暮れを迎えた八幡堂のまわりにはピザ・おでん・おにぎりなど軽食やお酒の出店や焚き火で昼間に引き続きわいわいとてもにぎやか。おまけに前座は木曽で超人気音楽グループ・ドキドキシティボーイズ!!焚き火の暖かさが倍増したようなホットな場に🔥
 
いよいよ、次は私道かぴ脚本・演出「木曽、わたしたちのまつり」の初演です。

三剣の舞の場面
照明はやわらかい電球の灯りのみ(撮影:やまぐちなおと)

八幡堂にある小上がり部分の3辺を取り囲む客席には子どもから年配まで幅広い年齢層の方にご来場いただきました。これまで私道さんが滞在した中でお話をうかがった方の姿もちらほら。
木祖村・藪原神社例大祭の獅子舞/王滝村・御嶽神社例大祭の三剣の舞/木曽踊り
を描いている今作はセットや小道具などなにもない完全一人芝居。沢栁さんの動きひとつでそこに無いはずのものが見えてくる感覚はとても不思議な体験でした。

木祖村・藪原神社例大祭の獅子舞を舞う(撮影:やまぐちなおと)


この作品は観客のみなさんと一緒に踊る木曽踊りでフィナーレを迎えます。
脚本を受け取ったとき、沢栁さんはきっとお客さんに踊ってもらえないだろうなと思っていたそうです。しかしあっという間にたくさんの観客が木曽踊りに加わり大きな輪に!想定外の事態でどう終わらせるか逆に困ってしまった、振り返っていました。

沢栁さんがうながすとすぐさま観客が立ち上がり大きな輪となり木曽踊りがはじまった
(撮影:やまぐちなおと)

大盛況のうちに終演を迎えた私道さん沢栁さん。
翌日の木曽ペインティングスオープニングセレモニーでの上演につながる素晴らしい時間でした!

(文:佐久間圭子)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?