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神話のごとく作りこむ世界観

物語を「信仰」する我々。

ファンタジー作品には様々な派閥があるが、特に、『スター・ウォーズ』『ロード・オブ・ザ・リング』『ハリー・ポッター』この三作が巨大な派閥を形成している気がする。(異論は認める)

三作に共通しているのは、ファンが神話のレベルで物語を「信仰」しているところだろう。作品について語っているときのファンは、皆一様に目が血走っている。

少々ややこしい話だが、『ハリー・ポッター』信者としては原作の小説こそが「信仰」の対象なので、実は映画の方に対してはちょっと複雑な感情を抱いている。

小説版があまりにもボリューミーなため、映画版はほとんどダイジェストに近いと思っている。

音楽や美術の功績はものすごいが、登場人物やサイドストーリーなどもゴリゴリ削られているので結構観ていて歯痒いのだ。

ちなみに、『ファンタスティック・ビースト』シリーズは小説が原作ではなく、J・K・ローリングが脚本を手掛けている映画こそが原作なので、映画が「信仰」の対象となる訳である。

なんでそこまで我々はファンタジー作品にのめり込んでしまうのかというと、世界観の作り込みが凄いからだろう。

シリーズとして続いていくものも多いから、長い年月をかけてコツコツ洗脳というか浸透していくのも一因かもしれない。

世界観をいかに細かく、辻褄を合わせて作り込めるか。これこそがファンタジーの勝負所と言える。

作り方はほとんど神話に近いのではないだろうか。というか、神話って元々は今で言うファンタジー的な役割だったんでしょうね。

文・イラスト:長野美里

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