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ゾンビ映画で描くべきはむしろ人間

ゾンビ映画は面白い。

先日、京都みなみ会館で、ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビ映画を三本一気にオールナイト上映するイベントをやっていた。

初めてきちんとゾンビ映画を観てみたが、これがめちゃくちゃ面白かった。
途中絶対寝るだろうと思っていたが、全然寝るヒマがなかった。
(思いっきりイビキをかいている客もいたが、まぁそれも含めてオールナイト上映の醍醐味と言える)

イベントでもらったクッキー↓

ゾンビは怖いものという印象があったが、少なくともゾンビ映画で描くべきはゾンビの「怖さ」ではないということが、巨匠ジョージ・A・ロメロの作品からは伝わってくる。

緊急事態に陥ったときの人間模様を描くのがゾンビ映画の本題で、ジョージ・A・ロメロ作品は人間が上手く描けているから面白い。

そもそも、ジョージ・A・ロメロ作品のゾンビはあまり怖くない。なんとなく愚かな感じで、ちょっと可哀想ですらある。

ゆっくり歩行し、火を怖がるゾンビは、最近の作品に出てくるような、戦闘力が異常に高くて逃げる余地が無さそうなゾンビとは全然違うので、そんなパニックになる必要ないのでは?と思いきや、補強した窓を蹴破ってくるぐらいの力はあるらしい。地味に怖いのである。
そして数が多い。なめたらアカンのである。

そのため、閉鎖空間に逃げ込んだ人間たちはパニックになり、争いを始める。
その中でまたゾンビが襲撃してきたりして精神やら体力やらが消耗し、最終的に登場人物たちの本音や人生観が吐露されるのが面白い。

本来ゾンビ映画で描くべきはそういった人間模様なんですね。

京都みなみ会館ではこの3本をやってました↓
公開年度を経るにつれて、予算が増えていってるのがよくわかります。
そして女性キャラが格段にたくましくなっていっている。

1本目「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」

2本目「ゾンビ」

3本目「死霊のえじき」


文・イラスト:長野美里


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