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耳よりも目を使ったトレーニングをしよう

※今回、記事の中で使用している写真はすべてAIで生成しています。不自然なものもありますが、ドリルのイメージが膨らめばと思い、使用しました。実際に選手が実践している画像や動画等撮影次第そちらに差し替えます。ご了承ください。


こんにちは。
僕は今、中学生に野球を教えています。
その中での気づきを書いてみます。

突然ですが、思い返してみてください。
どこの野球チームやスポーツチームでも行うウォーミングアップ、ダッシュ。

ダッシュでスタートをする際、どのように合図していますか?
笛、声など音で合図しているチームが多いのではないでしょうか。
これを特に意識せず当たり前のように実践しているチームも多いと思います。

しかし、スポーツ、特に野球では、何かに対して反応する場合、

  • 聴覚で判断する場合

  • 視覚で判断する場合

どちらが多いか、考えると圧倒的に視覚で判断する場合が多いわけです。

走攻守、すべてにおいて視覚情報を元に動きます。

聴覚で判断するのは、陸上競技、水泳などでしょうか。

ピストルやホイッスルの音でスタートを切る。

ただ、野球をはじめとする球技では視覚情報を元に体を動かすことがほとんどです。

それであれば、ウォーミングアップ、ダッシュの動きから極力視覚を使っていった方が実戦向きの練習になるのではないか、というのが僕の考えです。

トレーニングも同様の考え方です。
どうせ、どこか特定の部位を鍛えるのであればそのスタートの合図やルールを極力視覚を使ったトレーニングへと変えています。なるべく耳ではなく、目を使う。

それでは早速具体例を見ていきましょう。

まずは、競技に関係なく実践できる例(ダッシュの際のスタートの合図)を紹介します。

※以下で合図を出す人を便宜上、「指導者」と表現します。


①、②では指導者は横並びになった選手の正面に立ち、合図を出します。

①ボールが手から離れたらスタート

1 指導者はボール(見やすいものなら何でも良い)を手に持ちます。
その際、手の甲が空の方に向いているようにし、ボールが地面の方に向くように持ってください。
2 手を放すとボールが地面に落下します。
3 選手はボールが手から離れたらスタートします。

②偶数スタート、奇数はそのまま

1 指導者は両手をグーにして選手の方へ向けます。
2 指導者は手の指をランダムに開きます。
3 その指の本数を足して、偶数ならスタート、奇数ならそのままとなります。

③手が開いた方に回転してスタート

1 選手は進行方向(ダッシュする方向)に背を向けて構えます。指導者は選手の目線の方向に移動します。
2 指導者は両手をグーにして選手の方へ向けます。
3 指導者はどちらかの手をパーにし、選手は開いた手の方向に反転して進行方向へダッシュします。

※慣れてきたら、手の指を4本開くなどしてフェイントをかけても良いでしょう。(5本開いたらスタート)

④手が開いた方向にスタート

こちらは進行方向が左右のどちらかになるダッシュです。


1 指導者は選手に正対し、両手をグーにして選手の方へ向けます。
2 どちらかの手を開いて、開いた方に選手は走ります。

※③のように慣れてきたらフェイントを入れると良いと思います。
また、②のように足し算をして偶数は左方向へ、奇数は右方向へなどとルールを決めてダッシュするのも良いでしょう。

上記で紹介したのは競技に関係なく実践できるものだと思います。
いずれにしても、見た情報を元に判断する力も養われるので、ただ意図がなく音を使って合図を出しているという場合は取り入れてみると良いと思います。

あとは、結構盛り上がります。
僕はウォーミングアップやダッシュはただ身体の準備だけでなく、頭や心を活性化させるものだと考えています。頭を使ったり、仲間同士指摘し合うなどするのも上記を採用するメリットだと思います。

以下では、

  • 野球に特化したダッシュ例

  • 動きの中で視覚を使用するダッシュ例

を紹介していきます。

シャッフルからgo, back

こちらは野球の一塁ランナーをイメージします。

1 選手は指導者が手を挙げたらシャッフルを開始します。
2 指導者は両手をグーにして選手の方へ向けます。
3 選手の3シャッフル目、空中に浮いているタイミングでどちらかの手を開きます。選手は進行方向側の手が開いたらシャッフルからダッシュに切り替えます。進行方向と逆側の手が開いたら選手はその場で切り返し、スタート地点へ戻ります。

この練習は一塁ランナーが打者のスイングを見て、次の塁に走るのか、戻るのかを判断する動きを想定して行います。

三塁ランナーgo back


3塁ランナーの動きを想定。指導者は選手と正対する位置に立ちます。


1 選手は指導者が手を挙げたらシャッフルを開始します。
2 指導者は両腕を自分の体の前に伸ばします。
3 指導者は選手が打者のインパクトに合わせるシャッフルのタイミング
(空中に浮いている)で次のいずれかの動作をします。

a 両手を挙げる:タッチアップ
b 両手を下げる:ゴロゴー
c 両手を真横に広げる:ライナーバック

bはゴロが転がった想定なので、シャッフルを止めずに進行方向へ走ります。
aとcは一度切り返して帰塁。
cは帰塁して終わりですが、aはタッチアップの構えになり、指導者の何らかの合図(手を挙げるなど)でスタートします。

どこか動いたらスタート

1 指導者は両手を真横に広げて立ちます。


2 選手には指導者の身体全体をぼんやりとみて、どこか動いたらスタートするように指示を出します。
3 指導者が動いたらスタートです。

これは、盗塁のスタートを想定しています。
盗塁の際も(特に二盗)、投手の身体全体をぼんやりとみて、スタートします。指導者は様々なパターンで身体を動かします。(腕、手、首、足首、膝、腰、体を倒すなど。)そうすることで洞察力がつき、相手投手の癖盗みなどにも活きます。

バック走切り返し

1 選手は進行方向に背を向けます。
2 指導者の合図でバック走をスタートします。
3 指導者は左右どちらかに指をさし、選手はその方向に身体を切り返します。
4 その後、指導者は逆方向へ指をさします。これを数回繰り返します。

これは外野手が後方の打球を追う動作をイメージしています。
慣れていないとまっすぐ進むのが難しいですが、ボールを使わない状態でまっすぐ進めないと、ボールつきでまっすぐ進むのはほぼ不可能です。

盗塁(右、左)

これはやっているチームも多いでしょう。
しかし、ただやるのではなく、指導者は毎回ひとつその投手にわざと癖をつけて、そのクセを見破るように選手に伝えると良いでしょう。

そうすることで、自分の時だけではなく、他の列の選手の番の時も集中してみるようになります。そして、「牽制のときはセットした時の歩幅が狭い」「ホームに投げるときは首を3回使う」「牽制の時は膝が曲がる」など選手たちで考え、会話が生まれます。

これは選手たちの洞察力を鍛えるのに良い練習です。

お読みいただきありがとうございました。

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