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【講座レポート(大阪公演)】口腔衛生状態が妊産婦へ及ぼす影響 〜特に歯周病と妊婦・低体重児出産〜

2020年11月14日にBOCプロバイダー認定資格講座、大阪公演(オンライン)が開催されました。

特別講師①

 尾崎 亘弘先生(おざき歯科医院 理事長・院長)

口腔衛生状態が妊産婦へ及ぼす影響 〜特に歯周病と妊婦・低体重児出産〜

BOCは基本的な口腔ケアをさしますが、対象が変わればそれに合わせて対応が変わります。今回の対象は「妊産婦と小児」。口腔ケアの勉強会ではなかなか学ぶ機会のない内容ですが、とても重要です。

歯周病がギネスブックに!?

「歯周病」は人類が最も感染している感染症と言われており、ギネスブックにも掲載されています。

皆さんも日頃からよく耳にしているであろう「歯周病」ですが、実は「よく理解していない」方が多いのではないでしょうか。

口腔ケアを行う上で、歯周病の知識は必須ですし、BOCプロバイダーならなおさら理解していただきたい重要な疾患です。

今回は歯周病の基本的な知識を振り返っていただき、妊産婦と歯周病について詳しく説明していただきました。

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歯肉炎が進行すると歯周炎になる

歯肉炎の進行で歯周炎となり、その総称が歯周病です。

近年では、歯周病が全身の疾患と関係していることがわかってきています。


女性のライフイベントと歯肉炎

女性は、妊娠や出産などのライフイベントに応じた口腔内へのアプローチが重要です。

特徴としてはホルモンバランスの変化で歯周病になりやすいことが挙げられます。妊婦さんがかかりやすい疾患として、妊娠性歯肉炎が有名です。

プラークのついていないきれいな歯に歯肉炎は起きないとされており、プラークコントロールが重要です。適切なブラッシングが求められますが、ホルモンの影響やつわりによる嘔気などにより、なかなか適切なブラッシングができないことがあります。

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対応としては、

 1気分の良い時にしっかりみがく
 2子供用の歯ブラシ(ヘッドの小さいもの)を使う
 3水分をしっかりとる(口腔内が乾燥していると細菌が増殖しやすい)
 4糖分が多いものは控える
 5ガムを噛む(無糖)
 6歯科医院で歯石を除去してもらう(その際は母子手帳を忘れずに)

が挙げられます。


歯周病が胎児にも影響を?

母体だけでなく胎児への影響も指摘されています。歯周病は歯肉に炎症を起こしますので、歯周病菌が歯肉から血流に乗って全身に回り胎児にも影響します。

歯周炎を収めるために、体内でプロスタグランジンが増加することが知られています。プロスタグランジンは子宮の収縮を促す作用があるため、早産になる可能性が増加すると考えられています。

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細菌が血中に侵襲し、全身に影響を及ぼす2次感染が早産や低体重児出産に関係していると言われています。

日本歯周病学会でのエビデンスレベルは2a。根拠としても十分なレベルと言えます。

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もちろん出産後もオーラルケアを継続するとともに、赤ちゃんに歯周病菌をうつさないように、スプーンや食器を一緒に使わないことや噛み与えをしないことも重要です。


特別講師②

尾崎はる香先生(おざき歯科医院副院長)

妊婦さんと小児

脱水症予防に、寝る前にスポーツドリンクを飲んでもいい?

「ダメ」です。

スポーツドリンクの中には、砂糖が多く含まれています。

患者さんやお子さん、高齢者の方に良かれと思い勧めてしまいがちなスポーツドリンクですが、実はう蝕や糖尿病へ導いてしまっていた可能性があります。

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乳歯は抜けるから大丈夫?

これも「ダメ」です。

永久歯の歯並びとの関係や噛む力の低下により、口腔周囲筋の未発達が原因で口腔機能の低下を及ぼすなど様々な影響が出てきます。

子供の頃からオーラルフレイルに注意して過ごしましょう。

口腔機能発達不全症に陥ってしまうと高齢期に嚥下機能が低下しやすくなると考えられています。

お口の機能が発達しないまま成長したら、早い段階で口腔機能低下症になってしまいます。子供の時に鍛えることが重要で、将来のフレイル予防につながっていきます。

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う蝕や歯周病はメタボリック・ドミノの最初の始まり

う蝕や歯周病はメタボリック・ドミノの最初の始まりとして考えられています。

歯医者は治療の場所と思わずに、健康に暮らす入り口として、口腔疾患を予防するために活用してください。この考え方は、幼少期のうちから身につけておくと良いとされています。

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例えば、「痛くなってから受診する」と歯医者が嫌いになってしまいます。でも、予防を目的に訪れると、きれいにしてくれる気持ちの良い場所だと認識されます。

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妊婦歯科検診の受診率が低い!

重要にもかかわらず受診率の低い検診として、妊婦歯科検診が挙げられます。

妊娠期から歯科検診を適切に受けることで、その後の行動が大きく変化する可能性があります。

妊婦歯科検診を通して適切なケアを学びましょう!

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「生涯のBasic Oral Careは0歳(お腹にいるとき)から始まっている」

生まれる前から、高齢期まで、生涯継続した口腔ケア・メインテナンスを欠かさないようにしましょう。

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BOCプロバイダーの講座では、医師、歯科医師、看護師、歯科衛生士、栄養士などの専門家がそれぞれの専門領域と口腔(ケア)とを掛け合わせた講義を行っています。

Facebookグループ内で全て配信しておりますので、引き続き学びを継続していただけたら幸いです。

今後ともよろしくお願いいたします。


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