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【 レシピ 】 ご先祖はローマ~ご馳走クレスペッレ(クレープ)

 クレスペッレはイタリア語のクレープの事。語源はラテン語のcrispus(縮れた)から出ていると言います。

5世紀にはすでにイタリアで作られていたといわれ、こんなエピソードが残っています―フランスの巡礼がバチカンにたどり着いた時に疲れ果てお腹を空かせていたので、時のローマ法王ジェラースィオ1世(在位492~496)が哀れに思い、クレスペッレをふるまった。その作り方を巡礼たちがフランスに持ち帰えった―。その後フランスでは、特にドルチェとして発展していきます。

一方イタリアで、郷土料理として残っているものは少なく、「イタリア郷土料理集」によるとアブルッツォに「スクリッペッレ」という名前でブロードの具にしたものやティンバッロの皮の部分に使うものが出てきます。面白いのはナポリ近郊で作られているクレスペッレ料理です。こちらはリコッタベースの詰め物をカンネッローニ状に巻き込んで、オーブンで焼いたもの。

イタリアではサラート(甘くないもの、塩味のもの)で、パスタ生地の代わりに使われているものがほとんどです。材料は小麦粉と卵で、今では牛乳でのばして作りますが、中世ではワインでのばしていたという話もあります。

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