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オデュッセイアからシチリア3000年の食文化を読む 〜オリーブ、アーモンド、ペコリーノ〜

南イタリアには古代からギリシャ人、アラブ人などがやってきて、それぞれの文化を残していきました。これはその時の流れについてのエッセイです。

オデュッセウスのオリーヴとペコリーノの話

「このレリーフは新しいものだね」「新しいって、いつ頃の事ですか」「ルネサンスだから、ほんの500年くらい前かな」。その前に古代ローマの遺跡の中を歩いてきたのでこんな会話になったのだが、それにしても、イタリアでは時の流れの桁が違う。

思い出すのは、シチリアでのこと―。
毎年企画している、私と行く「食の旅」の今年の訪問地はシチリアだった。初日のプログラムはパレルモの市場に行ってストリートフードを食べる事。「アランチーニ」「牛スジの煮こごり」「仔羊の腸の炭火焼き」「ナスのウズラ風丸揚げ」「茹でたカルチョーフィ」、そして「カタツムリ」。数々のストリートフードが並ぶバッラロ市場は本当にエキサイティングだ。

オデュッセウス2

シチリアの市場には、色々なものが売っています。
手前は食用カタツムリ、向こうは収穫したてのアーモンド。
柔らかいので殻も手で開けられます。

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