ニョッキの歴史を見るには
イタリア料理を知るために、よく語源辞典を広げます。手持ちの物は二冊。なぜかと言うと編者によっていつの時代を語源とするかが違うからです。
そこで調べたニョッキの語源。
一冊には・・・①「ヴェネツィア方言のGnoccaから出ていて、ロンゴバルド(6~8世紀に北イタリアに侵略したゲルマン系民族。ロンバルディア州の語源となった)語のknohhaから出ている。意味は「指の関節」。もう一冊には、②「ナポリ方言のGnoccola,およびシチリア方言のGnoccula、遡るとラテン語のNucleusで、意味は『ヘーゼルナッツ』『クルミ』『結び目』」。
両方に共通しているのは、コロコロとした形であること。そして時代を見ると、どうも古代ローマ人が作って、侵攻と共にヨーロッパ各地に運び、それがロンゴバルドを介してヴェネツィアに来たのではないかということ。
今度は古代ローマから行ったと思われるシチリアのGnocculaを探してみました。あら、これはニョッキではなくパスタじゃありませんか(パスタとニョッキの違いは、生地をこねているかどうかです)。調べてみるとニョッキはもともとパスタのコロコロとした形のものだったとか。
ここから先は
354字
/
8画像
西欧の神話にはオリーヴ、月桂樹、アーモンド、小麦などがシンボルとして描かれていて、どんなストーリーがあるのか。
リゾットの歴史と地方性やニョッキはどこから来たのか。
そして過去に書いたエッセイなどを掲載します。
イタリア食の万華鏡 〜皿の向こうに何が見えた?〜
¥1,000 / 月
長本和子がマニアックなイタリアの食文化について色々お話しするページです。 料理の作り方とレシピ、その背景。イタリアのホテル学校の教…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?