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105:出会い|OUR DAYS #001

・自分には、互いの考えに共感し、路線は違えど志同じく研鑽する仲間が1人だけいる。

・彼と自分の物語を綴っていく。
・自分が退屈から抜け出すストーリー。

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・出会いは大学、京都。
・あるサークルの新入生歓迎活動の一環で宇治を巡る、というイベントで知り合った。

・高校生の頃、洋楽好きな父親の影響でバンド活動に勤しんでいたという彼は、モード系のファッションを華麗に着こなしており、最初の印象はお洒落さんだな、というものであった。
・また、言動が少し不思議なところもあり、初日にしてそのコミュニティの中でサイコパスキャラを確立していたので、面白い奴だなとも思っていた。

・なのだが、なぜか彼と2人できららアニメの『ご注文はうさぎですか?』の話題で盛り上がった。
・別にオタク向けサークルの集まりというわけでもなかったので、なぜ出会ったばかりの段階でそんな話になったのかは覚えていない。
・ともあれ、次の機会にオープニングを一緒に歌おうという話になった。

・同じサークルの別イベントの日、そのイベントの集合時間の前に2人で落ち合い、大学近くのカラオケ屋に行った。

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・あまり定かな記憶ではないが、最初は探り探りの選曲をしていた。
・RADWIMPSやBUMP OF CHICKENなどを歌っていた気がする。

・途中からどちらかがVOCALOIDの曲を試しに入れてみると、互いに“わかってる”なこいつ、という判断を下したのか、ダムが崩壊するかのごとくVOCALOIDの曲を入れまくった。

・余談だが、自分の地元ではその頃の田舎特有のオタク廃絶主義が散見されていたので、大学においてはニコニコ動画出身である自分の趣味を話すことには少し慎重になっていた。

・自分にとってはこれも知ってるの?というレベルで、リアルの知り合いの中では自分しか知らなかったようなものや、また自分も知らないVOCALOID楽曲を彼は歌っており、趣味を分かち合える人が出来て純粋に嬉しかった。

・P.I.N.A.氏の『レッド・パージ!!!』をデュエットしたのをきっかけに自分は、自分のパーソナルスペースに彼が入ってきたことを認識した。

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・大阪にある実家から京阪本線を使って京都の大学まで登校していた彼は、1限から始まる講義がある日の前日には大学に行きやすい場所に泊まりたいということだった。
・その頃自分は京阪本線沿い、伏見の辺りに住まいがあったので、彼は定期的に自分の家へ泊まることとなった。

・週に1回、彼と一緒にアニメ『とらドラ!』を1話ずつ観ていく、という日常ができた。

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・大学において、どこにでもありがちな出会いから彼との物語は始まった。

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