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essay#2 天才を殺す凡人は身近なところにいる



母はものすごく優秀で、娘の私が見ても綺麗だな、かわいいなって思ってしまうほど外も中も素敵な人で、我が家で唯一のA型同士である私とはわざわざ言わないし敢えて括ったりもしないけどなんとなーくA型同盟みたいなのがあって、ものすごく頭がいいのにものすごくとぼけてるところもあって、
『アレをアレしてさぁ』みたいなことを本当に言うし、初めましての顔合わせとか結構大事な会食の席でも急に『うふふふふ…あっ!ごめん思い出し笑いしちゃった』って1人で思考がワープするし、つまりは本当に愛すべき人なんです。

多分母のことを嫌ってる人ってそうそういなくて、(自分がどんなに誠実に生きていたとしても必ず誰かの人生においては悪役になる、とも言いますが。)居たとしたら僻みとか妬み嫉みの類で、そういうのはもう慣れっこで、でも気分がいいもんじゃないよねえと肩をすぼめるのがまた可愛くて、
マジでこの美女はなんであんなチンチクリン(父)と結婚したんだろうと思います。

背丈の話ではなく、
まあ背丈もチンチクリンなんですが、
心というか器がチンチクリンというか、、


父は、学歴コンプレックスと学力コンプレックスを併せ持ち、常に母や私を見下しています。

鼻で笑うのが癖で、何か意見や客観的事実を伝えても『俺はそうは思わない』で会話は終了…

私は子どもの頃から父のその鼻で笑う癖に自尊心を抉られるようで、
そして父のその口癖が大嫌いでした。

鎖に繋がれたサーカスの象、というたとえ話がありますが、母はまさにそんな状態で、30年以上の結婚生活の中でポテンシャルを殺されやる気を奪われ自分自身を無能だと思い込んでしまっています。


ただその一方父は父で、というか父方の家系の長男達すなわち歴代の太鼓店当主達は皆自分の夢を諦めて覚悟を決めて太鼓職人になった人達。

大学に行って銀行マンになりたかった、そしてその学才は持っていた祖父、

進学校に進んで、東京の大学に行って、学校の先生になりたかった、そしてやはりその学才は持っていた父。

どちらも曽祖父に『太鼓店を継がないのならお前はこの家にいる資格がない、今すぐ出て行けよ』と幼い頃から毎日のように脅しの言葉をかけられ続けて育ったそうです。


だからきっと、母もだけど父もある意味被害者なんでしょうね。


でもなんでこうなってしまうんだろう。

家族という最小単位の社会的コミュニティの中で、唯一選べるのが夫であり妻、つまりパートナーなのに。

なんで自分が世界中の中から選んだたった1人を大切にできないんだろう、傷つけてしまうんだろう。


私自身も似たような経験があり、長いこと答えを見出せずにいました。

ただ先日【天才を殺す凡人】というとあるブログ記事を読んで、霧が晴れたように感じられ、それを父や周りの人に当てはめてみて考えてみると面白いくらいにしっくりきて。

多分私の母は天才肌だし、天才です。

そして、父は凡人です。


そうか、そうだったんだ。




じゃあ、私はなんなんだろうな。

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