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ORでなくANDで考える習慣

質問1「企業にとって利益追求と社会貢献のどちらが重要か?」

質問2「ホリエモンの考え方に賛同するか?」

OR主義

質問1に対して、「利益追求です」「社会貢献です」と答えるのをOR主義としましょう。

この答え方ですと、「利益追求」とだけ答えた場合、「社会貢献」というもう一つの選択を切り捨てる回答となってしまいます

質問1に対して、常識的に考えれば、利益追求も社会貢献もどちらも重要であり、人それぞれに重要度のウェイトが異なるというのが正しい理解、正しい回答ですね。

質問2「ホリエモンの考え方に賛同するか?」という質問に対して、「賛同する」「賛同しない」という回答の仕方ですと、「ホリエモンの全ての考え方に賛同するOR賛同しない」という立場を表明していることに見えてしまいます

実際に好き嫌いは別として、ホリエモンに対する評価が「正しい(※)」という考えを持っても、「間違っている」という考えを持ってもよく、「ホリエモンのここが間違っている」「この考えは賛同できる」というのが常識的なのでないでしょうか。

※正しい間違いということ自体が相対的なものであり、人によって正しさは異なるということを大前提としています。

このように、人間の社会経済活動を考えてみると、実際はAかBという二者択一で済ませられる問題ばかりでないですね。

日本では、学校教育や大学受験で〇✖で回答させる教育を徹底しているので、OR主義の洗脳といいましょうか、OR主義の呪縛にとらわれた方がかなり多くいるのでないでしょうか?

少し、政治的な話となって恐縮ですが、政治家〇〇をぶっ倒せ!などと言っている人は、大体OR主義の人なので、そもそも議論になりません。

AND主義

AND主義とは、OR主義の対極的概念であり、細かく定義すると次にようになります。

「AもBも重要であり、場合によってはAがより重要であり、また異なる場合によってはBがより重要となるケースがある」

複雑化、多様化する現代においては、よりAND主義による発想、コミュニケーションが重要になっています。

例えば、先ほどの質問1や質問2では

回答1「利益追求も社会貢献もどちらも重要であるが、社会的インパクトを与える社会貢献を行う前提として利益が必要である。」

回答2「ホリエモンの〇〇という考え方には〇〇という理由で賛同できますが、△△という考え方には、△△という理由で賛同しかねます。」

といった多元的な回答をAND主義といいます。

(※くどいようですが、上記回答はあくまで例です。この考え方が正しい間違いを論じるのは本稿の趣旨でないです。)

社会にでますと、意外にもこのような回答ができない人が多く、「利益追求はけしからん」「社会貢献って綺麗ごとだよ」「ホリエモンけしからん!」「ホリエモン素晴らしい!」などの二極論が跋扈している状況となっています。

実際に就職活動・転職活動の面接、ビジネスにおける社内外の打ち合わせなどの実社会の場面では、マークシートの4択やクイズ番組のようなOR主義で対応できる場面のほうがむしろ少ないのが現実です。

このAND主義を意識するだけで、自分の中に多様性を担保でき、かつ、他者理解にも繋がり、コミュニケーションを円滑化する効果が期待できます。

ANDで考える練習

対立しそうな問題としては次のようなものが考えられますね。

「家庭と仕事」「愛とカネ」「少子化対策と高齢者問題」「東京一極集中と地方活性化」などなど

これらについて自分の考え方をAND主義で考えてみてはいかがでしょうか?

AND主義は、自分だけでなく他者の価値観にも耳を傾ける余地を残すものであり、正にコミュニケーション能力に直結するものだと考えます。

好きでもあり嫌いでもあるというアンビバレントな感覚を持っているのが人間というものなのです。





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