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資格試験対策「WORDノート」勉強法【概論】

初めに

2年前に司法書士になりたい!と思いつき開始した司法書士試験の勉強。1回目の受験では、テキストを3周程度、過去問を3周程度回して本番に臨みましたがあえなく撃沈。。。。択一の基準点はなんとか超えることができましたが、記述で足切り、総合点でも点数不足という不甲斐ない結果になりました。

司法書士試験の筆記試験は、民法、商法・会社法、不動産登記法、商業登記法といった基幹科目に加え、民事訴訟法・民事保全法・民事執行法、供託法、刑法、憲法、司法書士法のマイナー科目を加えると択一式だけ膨大な量の暗記が必要となります。これに加えて、不動産登記法と商業登記法の記述の対策が必要となり、これまでの人生で最も過酷な資格試験でありました。

私の場合、兼業受験生だったこともあり、1年目はテキストと過去問・模試などを1周回すだけで少なくとも3か月はかかり、2周目には1周目の内容を忘却し再スタートを繰り返し、知識の定着が曖昧なまま受験に臨み、結果上記のような結果になりました。

記憶の一時保管は1カ月以内

ここで記憶について考えてみましょう。人間の記憶には大きく短期記憶、長期記憶の2種類に分かれ、そのうち資格試験の知識として必要となるのは当然ながら長期記憶ですね。(細かく言えば、長期記憶のうち意味記憶です。)

人間の記憶は脳の海馬という記憶の一時保管庫に保管され、海馬が重要だと判断した情報が長期記憶として定着するというのが脳科学で立証されています。

この海馬の保存期間は最長で1か月と言われており、1か月を超えると再び新たな知識として覚え直す必要がでてきます。

司法書士試験の学習にあたり、1周3カ月をなんとか1か月に短縮して学習する方法がないか?と考え尽くして行きついた勉強方法が今回紹介する「WORDノート」勉強法です。

この「WORDノート」勉強法に切り替えた後は、試験科目1周を約20日で回転させることができ、1回目の受験の後半戦も含めると総計で約20周程度回すことができ、最終的には択一式試験では、午前33点、午後30点となんとか30点オーバーに到達することができました。直前の模試でも午前、午後とも30点を下回ることなく、安定して基準点以上の得点をマークできるようになりました。

2年目の勉強では、テキストを1回も見ることなく、この「WORDノート」に答練や模試の新知識を追記していきながら、同時並行でぐるぐると回すという学習形態をとりました。そういう意味でかなり特殊な勉強方法なので、今回ご紹介する「WORDノート」勉強法は、私には合っていたかもしれませんが、万人受けするものでないことに留意が必要です。

ちなみに私は基本独学で、市販のテキストと過去問に加え、LECさんの答練に参加しました。(LECさんの答練は非常に有意義でした!)
あとは、大手各社の模試を受けまくり、過去の各予備校の模試も取り寄せて問題演習をするというスタイルです。

各種勉強法の問題点

テキストの問題点

理論からのアプローチとして、受験に必須な学習テキスト。司法書士試験の市販のテキストは非常に優れた本が多く、丁寧に解説されたもの、コンパクトに論点が絞られたものなど独学者にとっては有難い環境と言えます。正直、どれを選択するかは好みだと思います。
しかしながら、学習当初は新鮮なコンテンツでも2回目の学習以降は、既に理解した箇所と未熟な箇所が混在し、これを再度読み直すだけで膨大な時間が食われてしまいます。

学習が進捗していくと正直「詳し過ぎる」テキストに時間を食われてしまうという問題点が出てきます。

また、テキストの読み込みは演繹的アプロ―チであり、理論が分かったとしても実際の試験問題で○✕を付けることができるかというと一概にYESとは言えないというのが学習経験者の方であれば納得していただけると思います。

従って、テキストによる演繹的アプローチに加えて、帰納的アプローチとしての実践的な問題演習が必要になってきますね。次にこの過去問を中心とする問題演習について考えていきたいと思います。

過去問・模試の問題点

資格試験対策に必須の過去問演習と模擬試験。テキストでインプットした情報をアウトプットできなければ意味がないので、テキストで一定程度の知識を習得した後は、過去問を中心とする問題演習がどの資格試験でも必須となりますね。

ただ、〇✕式の演習の問題点としては、〇✕の肢が混在した問題を見て、更に解説を見るという2度手間がかかってしまうということが挙げられます。

つまり、一つの問題を解くのに往復2ページ分の読解が要求されることになります。✕の肢を何度も見るより、〇の肢を正確に覚えるという時短がないものか?ということが考えられます。

また、解いている問題の中でもたまたまラッキーパンチで正解した問題でも、正否に絡んでいない重要な論点が抜け落ちるというリスクも内包しているのが演習の問題点だと言えます。

更に言えば、テキストにも共通しますが、解説が詳し過ぎるて読むのに時間がかかり過ぎるという問題もあります。

勉強が長続きしにくいという問題点

私自身、テキストや問題演習に対する集中力の持続時間はせいぜい30分ぐらいであり、一日10時間勉強できるという方は本当に凄い!と思います。このように勉強に対する集中力が長続きしないという悪しきクセをどのように克服するかが私にとって課された最大の課題となりました。

一方で、私の場合単純作業は結構得意であり、例えば淡々と文章を作成するなどは意外に苦にならないという特性があり、後述する「WORDノート」の作成は結構作業として楽しんで取り組むことができました笑

かっこよく言えば、勉強を作業化してしまうというのがWORDノート勉強法のキモと言えます。

スキマ時間に何を勉強するかという問題点

一日起きている時間のうち、意外にスキマ時間はあります。例えば、歩いている時、信号待ちをしている時、エレベーターを待っている時、電車に乗っている時、次のアポの合間の時間、昼の休憩などをかき集めれば、一日2~3時間は捻出できるものです。

例えば1分だけのスキマ時間があったとして、テキストや過去問を解こうを思わないものですが、WORDノートであれば、30秒程度のスキマ時間でも十分勉強できるようになります。※実際にコンビニのアイスコーヒーを入れている30秒ほどの時間にWORDノートを見ていました。

手書きノートの問題点

私も受験1年目の始めの方は手書きのノートを作成していた時期がありました。正直、司法書士試験のような膨大な範囲の勉強にいちいち手書きでノートを作ることは非効率極まりないと思い直し、ぱったりやめました。

また、手書きノートは一旦書いてしまうと、間に論点を挟み込むことが物理的に困難であるという決定的な問題点があります。

WORDノートとは?

以上のような各教材の問題点、勉強法の問題点を如何に克服するかを考えて、自分のスタイルに合った勉強法としてWORDノートの作成を思いつきました。

WORDノート勉強法とは、Microsoft社の「WORD」に論点や問題を集約していき、これを印刷してポケットに常に携帯して行う勉強法です。

スキマ時間を活用して、むしろスキマ時間だけで勉強してしまうという究極の時短勉強法です。

ただし、このWORDノートは決定的な問題点があります。

それは、とにかく作成に時間がかかることです笑

ただ、勉強は嫌いだけど作業はそんなに嫌いでないという方にはおススメの勉強法です。

WORDノートの実際

いろいろ説明する前に、まずは実際の私の作成したWORDノートの一部を見ていただきましょう。
民法の「未成年者」に関する論点の部分です。

未成年者の部分の1ページ目


未成年者の部分の2ページ目

まず、超簡単に未成年者の部分の基本論点を記載しています。(知識が曖昧な部分だけ、このように表にしていきます。)

次のページには、ずらずらと論点が記載されていますが、ここの部分がキモです。

このずらずらと並んだ論点は、過去問や模試で不正解となった肢について、「正しい文章」に置き換えたものです。例えば、✕の肢であれば、解説を見ながら、正しい文章に自分で作り変えます。〇の肢であれば、そのままでも構いません。

将来復習する際の自分に対してのメッセージなどを自由に入れても構いません。

これで、テキストを見る必要はなくなり、問題演習の正しい解答を頭に叩き込む材料が出来上がることになります。むしろテキストは辞書がわりに使っていくことになります。

WORDノートの作り方

準備するものはPC(WORD)とプリンターです。

私の場合、上記のようにA4横に大き目で作成していき、2ページを1ページにまとめ更に両面印刷して、ホッチキスで止めて持ち運ぶというスタイルを採りました。

この1/2ページかつ両面印刷すれば、更に半分に折りたためばポケットに入るサイズになります。
※この具体的作成方法は、正直あまり重要でないです。

WORDノートの利点

MicrosoftのWORDの利点は、「検索」機能がついていることです。
例えば、民法上「重過失」が要求されるケースを整理しようとすると、「重過失」で検索をかけると、「重過失」だけを引っ張り出してオリジナルの論点集を作成することができます。

また、自分でWORDでテキスト化しておくと、各分野の横断的な論点整理をすることも可能となります。例えば、不動産登記の記述で民法の論点が出てきた場合、コピペすることにより、オリジナルの論点整理をすることができます。

私の場合、受験1年目の本番半年前ぐらいからぼちぼちとWORDノートを作成していき、2年目の終わりには全科目のストックが出来上がり、これをとにかく回し続けました。

今から見返すと少し狂っているぐらいですね笑

ケータイ司法書士でいいんじゃない?という声が聞こえてきそうですが、私はケータイ司法書士を見たことがないのでその通りかもしれません笑

作業は大好き、勉強は嫌いという方には向いていますが、そんなんアホらしいという感じる方のほうが多いかも知れません。

次回は司法書士試験の記述式のWORDノート学習法を解説したいと思います。

WORDノートの具体例
民法総則の一部をPDF化したものです。条文はネットでコピペです。


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