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「晴れの日も雨の日も」#24 成長について

成長。

英語で言えばGrow up。インドネシア語ではberkembang。インドネシア語だけ少し解説すると「花が開く」という意味です。なるほど。

成長するのは人間だけではありません。動物も植物も全部成長します。
子供が大人になっていく。
種が芽を出し、花を咲かせ、実をつける。
「大きくなる」という捉え方はわかりやすいですが、ことはそんな単純じゃない。植物だって上述の通り中身や質が変わっていく。動物もそうです。立てるようになり、歩き始め、自分で餌をとるようになる。人の場合はもっと複雑です。体は大人、頭はガキのまま、なんていうコマッタ人も中にはいる。少年のような純真な心を維持しているっていうのはいいんですけどね。

そもそも何をもって「成長した」といえるのか。以下、ヒトの場合について考えていきます。

這えば立て立てば歩めの親心なんて言いますが、子供の成長は親としてはホントに見ていて楽しいものです。親の自分自身が生きる励みにさえなります。
できなかったことができるようになる。これが成長なのでしょう。
たとえば、ハイハイができるようになった赤ちゃんにはハイハイはもう当たり前。早く次のステップの立つ・歩くに進んで欲しくなる。
初めて左手にお茶碗・右手に箸を持って自分で食べられた時は「エライね~」と周りからほめてもらえます。が、それができたその次の日からそれはもう当たり前。誰もほめてくれません。こぼさずに食べる、残さずに食べる、好き嫌いせずに食べる。早く食べる。いや、最後はちょっと違うかな。ま、そういうことが求められていきます。

昨日とは違う自分になろう。これが成長だと思います。なかなか毎日毎日着実に成長するというのは至難の業です。というより我々凡人にはムリというものでしょう。でも、去年の自分よりは成長していたい。できることが増えていたい。

前の親会社で長らく携わった営業を卒業する時に、「営業の要請」「上級管理職の心構え」「専門職必携」という心構え「銘肝三部作」を書き残してきたのですが、「技の引き出しを増やす、技の練度をあげる、他競技の技を学ぶ」と記しました。これが成長だと思います。

できなかったことができるようになる。
できることはもっとよくできるようになる。
次は全然違うフィールドにチャレンジする。
こういうことを覚えると毎日が、仕事が、人生が楽しくなります。
営業で言えば、苦手だったお客さんともちゃんと話ができるようになる。
仲良くなったお客さんとの信頼関係がさらに深まり、なくてはならないパートナーとして扱ってもらえるようになる。
お客さん対応だけじゃなく、損益管理ができるようになったり、オールマイティのエースとして海外の拠点長を任せてもらう。そう考えてくると、成長とは英語で言えばget beyond yourselfなのかもしれません。

人間の成長は体や見た目だけではなく、見えないところの成長が大事です。そしてそういう成長は日に日に見えるものでは往々にしてありません。目には見えない日々の変化の積み重ね。屋久杉も最初から大きかった訳ではなく、日々少しづつ大きくなって、ながーい時間をかけてあの姿になった。だから「継続は力」なのです。

今は「ゆったりユルク揺るぎなく」なんて言っている私は、実は、若かりし頃は「逃げない・投げない・ごまかさない」をモットーに掲げ、ゴリゴリと前進のみを図っていました。いかにも昭和です。転職当たり前の時代になって、「石の上にも三年」なんて若者に押し付けるのは良くないのだと思います。
が、NHKプロフェッショナル仕事の流儀に出てくる達人たちの話・生き様は根っこのところがみんな一緒です。何かを窮める、何かをやり遂げるということのためには、何が何でもとしがみつくことも必要であり、自分を追い込むことも時に重要なのでしょう。厳しく寒い冬の日を過ごさないとおいしい野菜はできない、なんて言う人もいます。
大事なことは、そういうことを人から押し付けられるのではなく自分が自ら選択できるか。昭和オヤジが「しがみついてでもやれ」と頭ごなしにどやしつけるのはNo Goodです。できれば、本人が自らそういうことに気付いてくれるといいなあと思います。

昔々、「巨人の星」という昭和を代表する一大マンガがありました。この中のシーンで、まだ小さい飛雄馬が「昭和」オヤジ(というよりもはや「明治」か?)の星一徹(よく見ると名前からしてスゴイ!)から毎日ランニングをすることを課せられます。ある日、いつものランニングコースが工事?か何かで通れなかった。飛雄馬はしょうがなく別の道-それは結果的に近道-を通りました。結果、いつもより早く家にたどり着きます。すると一徹が間髪入れず「どうして近道を選ぶ!なぜ遠い道を選んで自分を鍛えようとしない!」と飛雄馬を叱り飛ばします。こんなことは今どき流行りません。やったら飛雄馬は野球をやめてしまうでしょう。しかし、自分を鍛える、ひとかどのものになることに必要な考え方がここにはあり、それは古今東西変わらないのではという気がします。ま、こんなものばかり見ていたから、私はこんな人間になったのでしょう(笑)。

さて今の私はどうか。今は、「なぜ成長したいのか」、「成長してどうなりたいのか」ということを相手に問いかけ、相手の中からふつふつとヤル気が起きてくるような関わり方をしたいと思っています。ちょっとはわたしも成長したかな。

今日も最後までお付き合いいただき誠にありがとうございました♬

                                                                                                  長井克之
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<予告>

#25 聞くということ
#26 チャンスの女神
#27 いつまでも少年の心で(誕生日前夜)
#28 男らしいって知ってるかい?
#29 正しいから距離を置く

(続く)

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営業部長の頃、自席の後ろに貼っていた自書。皆さんに成長を求めていたのですが。。


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