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「晴れの日も雨の日も」#59 先週のちむどんどん(臨時投稿)

NHKの朝ドラはだいたいスキになってしまう。
今やってるのは「ちむどんどん」。「胸がドキドキする」を意味する沖縄語だ。単純な私はこれだけでオモロそうという予感を覚える。

前作「カムカムエブリバディ」も秀作だったが、「ちむどん」もこれに負けず劣らずおもしろい、と私と細君は思っている。

一方、山梨で一人暮らしを始めた大学1年生の娘には評判が悪い。主役の黒島結菜の演技が「アホみたい」と映るのだ。言いたいことはわからんでもない。
「アホみたい」という意味では竜星涼がどうしようもないアホな兄貴役を演じている。こんな役イヤだろうなと思うぐらいの徹底したアホ役で、ちょっとヤリ過ぎ感もある。
また、沖縄の方からは、あの沖縄語はナマリ過ぎという批判も出ているらしい。たしかに、「まさかやー」「シンケン?」「でーじー」のオンパレードで極端感は否めない。

と、種々とりまぜて、多少のご意見はあるかもしれないが、ま、ええやん、オモロかったら。私のストライクゾーンは広いのである。

さてこのドラマ、黒島(沖縄出身)を主ヒロインとし、川口春奈(長崎五島出身)、上白石萌歌(鹿児島出身)と美少女を贅沢に配している。
今は、黒島演じる暢子が料理人を目指して上京し奮闘中、というのが物語の主軸だ。

上記の通り、ライトテイストのちむどんだが、先週の「#09 てびち!てびち!てびち!!」はなかなか深かったので、少し振り返ってみたい。

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まず、暢子が料理に自分の工夫を加えたがっているところからお話は始まる。新しいことをやっていかないとおもしろくないと考えているのだ。
ま、気持ちはわかる。が、まだまだピヨピヨの新人。基本をしっかり身に着けるべき時期だ。ましてや、店には店の守っていくべき味がある。勝手なことをされては困るのだ。が、そのへんのことが暢子にはわからない。自分の工夫でもっと美味しくしたいという考えに捉われていて、人の話がちゃんと耳に入ってこない。

ここでまず第1の学び。自分の考えに意固地になっていると成長できない。名マンガ「スラムダンク」の安西先生の至言「下手糞の上級者への道のりは己が下手さを知りて一歩目」と通底する。成長するうえで素直さはとても大事だ。

で、暢子は売れない屋台のおでん屋の立て直しを命じられる。ここでも暢子はいろいろ工夫して、イタリアンおでんを編み出す。斬新なおでんで、物珍しさもあって最初は少し売れるが、すぐに客足が遠のく。「毎日食べたくなる味ではない」と言われるのだが暢子にはよくわからない。「奇をてらわず、地味でもいつまでもずっと愛される味を」とも言われるが、暢子は反発してしまう。

ここで第2の学び。派手なスタンドプレーは長続きしない。人生は長丁場。工夫はすべしだが、独りよがりではなく、長く人様に喜んでもらい受け入れてもらえるようにしていきたい。

こうして、深い悩みの底に落ち込んだ暢子は「道に迷った時は入り口に戻る」という言葉に出会う。この言葉が第3の学びだ。暢子は自分が父から受け継いだ沖縄のてびちを思い出し、これをメニューに加える。珍奇なイタリアおでんからは卒業だ。これがヒットして、暢子は認められる。「入り口に戻る」すなわち原点回帰。基本重視。行き詰った時ほど、遠回りに見えてもそれが王道だ。いつでも立ち返れる自分の原点・ルーツを知っておくというのはとても大事なことだと思う。

というわけで、15分×4日間の中にいくつもの学びが詰め込まれていた。
最後に例の兄貴がからんで「家族は永遠」というテーマも盛り込まれているのだが、これはやや無理筋感があったかな。
いずれにしても今後も楽しみである。

今日も最後までお付き合い頂き誠にありがとうございました♬ 長井 克之
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<予告>
#60   お天道様は見ている
#61   青雲の志と「一隅を照らす」
#62   妄想
#63 ツナガルって?
#64 一粒万倍日-新たな門出 

(続く)

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