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【ながおし!⑱】語学を生かして長浜と世界のかけ橋に! 江之洋さん

長浜で推したい!長浜でこの活動を推している!そんな人々を紹介する「ながおし!」
第18回目は、香港出身の江(こう) 之洋(ゆきひろ)さん。

江さんとはじめて会ったのは、今年3月末の市長室。
江さんは、滋賀文教短期大学の学生で、長浜市北部のお店や暮らしを紹介したパンフレット「おくびわぐらし」を作成され、仲間とともに市長を表敬訪問された。

江さんの日本語はとても流暢で、香港出身と聞かされてとても驚き、興味がわいて思わず取材を申し込んだところ、快く引き受けていただいた。
改めて、江之洋さんのプロフィールをご紹介。
江さんは28歳、香港出身。現在滋賀文教短期大学国文学科に在籍し、長浜市に住んでいるとのこと。

香港出身の江さんにインタビューしました

香港はどんな街ですかと伺うと、「東京の中心部のようなビルがたくさん並んでいます」と笑顔で答えてくれた。

まずは、なぜ日本に来られたのか伺った。
「昔から日本が好きで、年に何回か東京や大阪を旅行していました。自分の好きなものに日本のものが多かったんです。日本のまちや食べ物もですが、特に言葉、日本語が好きでした。香港にいるときから趣味で日本語を勉強していたんですよ。」

江さんのお話を伺うと、言葉の端々から日本への愛を感じ、こちらもうれしくなってくる。
ではなぜ、長浜に?
「日本の言葉が好きで、その本場でもっと勉強したいという思いが募り、留学を決めましたが、そのタイミングでコロナ禍になってしまいました。
コロナ禍が少し落ち着いた後、オンラインで受験ができ、日本の言葉について勉強できる大学を探していたところ、現在通っている大学が条件にぴったりだったので、受験し、入学しました。」と話す。

都会で生まれ育った江さんが都会とは言えない長浜に住んでみた感想を伺った。
「長浜は都会すぎず、田舎すぎず、バランスがいいですね。私は長浜駅に近いところに住んでいるので、必要なものは駅周辺で十分そろいます。伝統的な町家と現代的な建築がうまく溶け込んでいて、おしゃれなお店も多くて歩いていて楽しいです。静謐(せいひつ:静かで落ち着いていること)ながら活気にあふれる感じが特に好きですね。
また、豊かな自然も魅力的です。学業で忙しい時にびわ湖やきれいな景色を見ると気分がほぐれます。四季が移り行くのも美しいですね。そうそう、初めて雪を見たときはテンションが上がりましたし、家の裏でホタルを初めて見たときは感動しました。」
江さんは笑顔で答えてくれる。
香港になくて長浜にあるものもあるんだなあとこちらのテンションも上がる。

景色の良い大学の多目的ホールはお気に入りの場所

大学生活についても聞いてみた。
「専攻は国文学で、日本文学の勉強をしています。作品を読み込んでレポートを作成し発表したりしています。作品は、古典から近代まで幅広いので、それぞれ学者の研究を読むのも楽しいです。いろんな切り口があるなと思います。あとは、趣味で言語学の勉強もしています。ことばが好きなんです。なので、学校の図書館ではいつも辞書の棚と一番近い席に座るようにしています。ことばの勉強は面白いから全く苦になりません」

図書館のいつもの席で

勉強が苦にならない…自分の人生を振り返ってみてなかなかすぐには理解できないが、江さんを見ていると日本語の本や資料を読むのが本当に楽しそうだ。好きだからと言って、そんな簡単に自身にとっての外国語(江さんにとっては日本語)をマスターできるものなのだろうか?
「私は香港の公用語である広東語、中国の公用語である北京語、英語、日本語の4か国語が話せます。今は広東語の次に日本語が得意になりました。とにかく日本語が好きで、聞いたことがない言葉を聞くとテンションが上がり、すぐに辞書で調べます。外国語を上達させるコツは特に持っていないですが、私の場合好きという気持ちが一番大事です。」

大学の教室でインタビューに答えてくれました

次に江さんを知るきっかけになったパンフレット「おくびわぐらし」について、作成にかかわった経緯や思いについて聞いてみた。
「「おくびわぐらし」は長浜市の北部で生活を営んでいる人々を紹介する冊子です。大学で作成メンバーの募集がありました。長浜は素敵な街で私は大変気に入っているのですが、地元の友達も日本の知り合いもほとんど長浜を知りませんでした。長浜の魅力をより多くの人に届けたいと思い、作成メンバーの一員に加わりました。
参加した感想は、素晴らしい地域なのにあまり知られていなくてもったいないと思いました。長浜北部の良さをもっといろんな人に知ってもらいたい。少し足を延ばせばよいところはたくさんあります。」

「おくびわぐらし」について語っていただきました

「おくびわぐらし」の中で特に印象に残ったことを聞いた。
「観音様を守ってきた人々の思いを聞かせてもらったことが一番印象に残っています。胸を打たれました。ずっと人々が日の目を見ないところで守り続けていることで、今の観音様を見ることができるんだなと思いました。「おくびわぐらし」の作成にかかわって、長浜のことがますます好きになりました。」
江さんが長浜のことをより好きになってくれて、うれしく、また誇らしく思った。

今後の夢や目標について語ってくれました

最後に今後の夢や目標を伺った。
江さんは少し考えたのち、「長浜はとても過ごしやすくて住み心地がいいです。そんなに不便でもないですので、できればずっと長浜に住んでいたいと思います。今は在宅でも仕事ができますしね。
卒業後、どんな仕事につくかまだ決まっていませんが、いろんな言葉が話せるので、それを生かせるといいなと思います。
夢は長浜の良さをより多くの人に知ってもらって、長浜に住んでいると言うと「いいな」と言ってもらえるようになりたい。」と、こちらをまっすぐ見て笑顔で答えてくれた。
江さんの長浜に対する「愛情」にこちらの胸が熱くなった。

(とくぞう)

・おくびわぐらしは下記からご覧いただけます↓
〇「おくびわぐらし」は『びわ湖 東北部 地域連携協議会』の活動の一環で製作されました。

※江さんが在籍している滋賀文教短期大学ホームページはこちら