なぜプロ驚き屋は嫌われるのか?
皆さんは、
『プロ驚き屋』と揶揄される人たちを知ってますか?
生成AI(ex:ChatGPT)界隈では顕著ですが、新しいサービスや機能が出る度に【人類滅亡】とか【仕事激減】といった誇大表現を多用する人たちのことです。インフルエンサーの一種と言えるかもしれません。
そして、彼らは見事に、
AIの専門家たちから嫌われています・・・。
ただ、その『嫌われている理由』を高い解像度で考えると面白いことがわかってきたので、今日はその話です。
*第三者を傷つける記事では一切ありません。
*平和な世界のnoteです。ご容赦。
1.なぜプロ驚き屋は嫌われるのか?
まずはシンプルな分析から。
『プロ驚き屋』が嫌われる理由にはザックリ3つあるでしょう。
①ツイートをパクる点
②専門家ではないのに、それっぽい発言をすること
③なんだかんだ、数字を集めている点
まず、①の『パクリ』について
知らない人も多いと思いますが、プロ驚き屋の人たちがツイートする投稿の半分以上は既に英語で同様のツイートが出回った後です。
生成AIのTwitter界隈に居ると当然ツイート元の投稿も見かけますが、明らかに内容が似ているし、映像まで彼らのものであったりします。
Twitterの界隈ではこういう現象を『パクツイ』と呼ぶそうですが、Xに名前が変わったせいで『パクポス』になって、魚の名前みたいになっちゃったじゃないか・・・。(笑)
まぁ、そんなことは置いておいたとしても【投稿におけるパクリ】は、元を見た人にとってはあまり心地良いものではないでしょう。ここに関しては僕も同意見です。
次に、②の『専門家ではないのに、それっぽい発言をすること』について。これに関してはAI、機械学習分野の助教や教授といった研究者たちが怒っている印象ですが、少し腑に落ちない部分もあります。
世の中には実際に『手を動かす人』と『評論する人』が居て、それはどこの分野でも同様です(お笑いや野球の世界とか多い)。
『英語が得意な人』と『英語を教えるのが得意な人』は違うだろうし、『正しい情報』と『伝わる情報』も当然違う。
専門家からすれば「この表現は間違っている・・・!」と憤りたくなるのも確かに分かるのですが、世の中が正しい情報ばかり拡散された世界線は存在しません。
むしろそれどころか、プロ驚き屋のような人たちが増えて世の中が生成AIに興味を持ってくれた方が、今憤っているような『専門家』たちの価値は上がるはずです。なぜなら、単にプロ驚き屋に任せただけでは上手くいかず、専門家に依頼しないとクリアできない課題も多々あるからです。
最後に、③の『数字を集めている』点について。
結局、みんなが憤る理由はこれだと思います。
#これしかないっ^^
ツイートをパクることが直接の理由じゃなくて、誇大表現をして正しい情報を広めないのも直接の理由じゃない。
それらの倫理的に宜しくないことをした上で、
彼らが数字を集めているのが気に食わない。
おそらく、
彼らがフォロワー100人とかなら誰も文句言わない。
けれど、〇〇万人といった数字(影響力)を持っていて、尚且つ彼らが「すごいっ!」と言われているのがムカつくのでしょう。
そりゃそうだ。
その気持ちは痛いほどわかります。
ただ、次に僕の個人的な見解を記しておくので、それを読んでくれたらどの立場の人も納得はすると思います。
2.僕個人の見解
さて、客観的な分析は終わりにして、
最後に僕個人の見解を述べておきます。
結論から言うと、「プロ驚き屋の寿命は長くないから専門家の人たちは気にしなくて良いし、外野が言う前に本人たちも気付いているよ。ただ役割の棲み分けは明確に必要かな」と思っています。
まず第一に、あのような形で数字が獲れるのはもちろん凄いことですが、それが『信用』に変わるかと言われると「それは違うかな」と思います。
CM仕事をバンバン受けるタレントの印象が「あの人、お金払えば嘘ついてくれる」というのと同様で、プロ驚き屋に「(お金に変えるための)信頼」というのはそこまで溜まっていないだろうな、というのが個人的な見方です(共感してくれる人もいるはず)。
なので、専門家の人は焦る必要はないでしょう。
一方で、AIについて『知識を広める人』と『実際に手を動かして開発したりアドバイザーになる人』は分けた方が無難かな、と思います。
申し遅れましたが、僕はAI講演家という得体の知れない職業をやっていて、この仕事では経営者や社会人、学生に向けて「生成AIってどう使うの?」という話をさせていただいています。
ただ、その時に僕が必ず気を付けていることが『教育』と『実装』はまるで違うということです(僕が取り組んでいるのは前者)。
下記に、僕の【講演動画】を置いておくのでよかったら覗いて欲しいのですが、ここでは専門家の多用するような横文字なんかほとんど出てこないので、当然ですが聞き手からするとスッと内容が入ってきます。
僕のお仕事はあくまでも「生成AIを好きになってもらうこと」であり、「生成AIで一儲けすること」ではありません。
そのため、専門的な仕事を依頼された際は可能な範囲でお受けしますが、基本的には「専門家に頼んでください」って普通に言っちゃいます。
僕はAI導入の入り口を整備することであり、その後の実装を整備することじゃありません。僕の仕事は玄関を綺麗にすることなので、リビングの様子は関与しません。
今、プロ驚き屋を揶揄している人(専門家)の多くよりは、相手に『伝わる』説明ができると思いますし、その自信はあります。
理由は、専門家のように専門用語(横文字の嵐)は使いませんし、教授の皆様より話は上手だからです。
けど、これで怒らないでください。
そもそも担っている分野が違うだけです。
これで怒ってしまうと、作家と編集者、アイドルとプロデューサー、厨房とレジ打ちにもイライラするしかありません。
結局は役割の分担であって、大した話じゃないです。
なので、そこまでゴチャゴチャ言わなくても自然淘汰されるので大丈夫かな〜というのが僕の見解です。
プロ驚き屋をバカにするのはもちろん良いと思うけど、彼らが生成AIのバズりを広めていることは事実だし、彼らの教育的価値は少なからず存在するので、そこはシンプルにリスペクトしても良いんじゃないかな〜と思います。
#パクツイはちょっとビミョい
【結論】棲み分けが大事
というわけで、みんなで前に進めましょう。
もし、こんな僕に「生成AI導入の最初の一歩」として頼みたい人は下記noteに実際の講演までの流れをまとめているので、一読してみてください。
では。
長濱(2023.10.30)
【余談】
こんなことを僕も偉そうに書いてますが、過去にプロ驚き屋みたいな発言をしちゃってた気がします。絶対探さないでね・・・。(笑)
▼講演動画(20分)はこちら↓↓↓
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