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初音ミク10周年で振り返る2007年の変革

この8/31で、ボーカロイド・初音ミクの誕生から10年が経った。生誕祭を迎えるにあたって各メディアが特集を組んだり、ハチ(米津玄師)やwowaka(ヒトリエVo/G)など往年の人気Pが新曲をアップするなど賑わいをみせ、私もお祭り気分で楽しい時期を過ごしている。

思い返せば2007年は凄い年。
↓少し前に作ったプレイリスト。

【2007年の変革】 by M.F on AWA

05年にYouTube、翌年にニコ動が生まれ、ネット環境による音楽視聴、そして発信側の投稿の間口が拡がっていきました。売上指標と実感的ヒットが合致しなくなってくる時代…そんな時代の変革を好転的な可能性として感じさせてくれる8曲。④⑥は原曲ではないけど影響力大きいので入れたかった。あと「ポリリズム」も入れたかったー(涙)。

AWAは8曲までしか他ユーザーに公開されず(2015年当時)、曲を厳選するのが難しかったのだが、後の時代を予言するかのようなエポックメーキング的な楽曲が揃ったことに興奮した。
※AKB48「会いたかった」は、前年リリースだけれど、認知度はまだ低く、07年の紅白初出場時にこの曲を披露しているので2007年を象徴する曲の1つという事で目をつぶって欲しい!
※あと2007年の変革曲としては、人気声優陣がバージョン違いで参加した仮面ライダー電王の「Double-action」も外せないと思っている。

十年ひと昔とはよく言ったもので、《07年、私は何してたっけ?》とmixi(当時主流のSNSといえばコレ)を開いたら、MVを紹介するのに、拡張子wmvのついたレコード会社のオフィシャルサイトのURLを貼っていた。まだ記事に動画を埋め込むという概念もなければ(私の日記では09年から埋め込みが始まっている)、そもそもYouTubeはレコード会社や事務所から敬遠されていた(という印象。公式の動画は同じく09年のVEVOの登場から増え始めた)。

それでもWindows95でインターネットが身近になってから10年以上が経ち、検索やショッピング、BBSやブログ、そして登場し始めたSNSで私たちはインターネットのある生活に慣れてきていた。

重ねて、90年代からのPro Toolsによる楽曲制作、02年のiPod日本発売と、音楽はどんどんデータ化されて、03年に登場したMySpaceの人気でネット視聴も普及し、音楽をとりまく状況も大きく変わってきていた。

そんな2007年に生まれたプレイリストの曲たちには、そういったネット時代の素地を感じる。 系統づけられたジャンルにくくられず混沌であるところ。聖域無視のなんでもあり感。敷居の低いアマチュア感。双方向感。そんなリアルなスタイルがリスナーに受けて、ムーブメントを起こしていったんじゃないかな。

#ボカロ曲10年10選  ってタグ見つけたので、ミク縛りでやってみた。

後日談
この選曲、私はiTunesでプレイリストを作成したのだが、多くの人がニコ動のマイリスト上でやっていて目から鱗だった。ボカロものってサブスク未配信が多いし、iTunes Storeでも売られてなかったりCD化されてなかったりで、とても悩んで選んだのだ。が、持ってる音源から作成するしかないと思い込んでいた私の頭が固かった。私のやつ↑だと見て「ふーん」で終わり。でも、もちろん発信源のニコ動には曲が“存在する”訳で、マイリストだとそのまま再生できるし、気に入れば自分のマイリストに追加できるし、SNSで共有もできる。そっちが正解だったか!って思った。

もう一つ、ミクベスト選曲中、名盤CD(貴重)をそこらに積み重ねていたので、遊びに来たボカロファンの息子友(小4)に「貸すよ~(ドヤ)」と声を掛けたのだが、彼は大興奮で曲目をチェックはしたものの断ったのだ!聴きたい曲はゲーム機(YouTube)で聴けているので必要ないそうだ。「そっか」と返したけど、心の中では『これ流通してないよ?ローカルに取り入れなくて良いの!? アクセスできればそれで良いの!??』と動転しまくりだった。

この二つの出来事は、曲との絆が「購買」「所有」であった私にとって、とても大きな衝撃だったので記しておく。

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