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築古中古マンションは将来リセールできる?

今日は表題について。「築50年超のマンションって買って大丈夫?リセールできる?将来どうなる?」相談。よくいただく。正解ないテーマだけれど、見立てを書きたいなと。

(転載許可いただきました)

賃貸暮らしから一次取得する時、できれば今住んでるエリア近くに住みたい。がらっとエリアを変える人もいるけど、そうでない人もいる。そうなると、必然と旧耐震マンションも候補に入る。

ただ築50年超の物件、ほんと買って大丈夫なの?どういうところを見れば良いの?将来リセールできる?という話になる。

こういう話に対して、自分自身は「築古マンションも管理状態が良ければ、将来問題なくリセールできる」と見立ててる。実際自分も、都内で旧耐震マンションを購入し、リノベーションして住んでる。このあたりを現場目線で書いてみる。

実流通ベースで、築60年ほどの中古マンションは存在する

まずは事例を2つほど。
自分がよくシェアする、牛込台マンション(新宿区)。築59年だけども問題なく流通している。直近単価は、リフォーム履歴ありで坪270万ほど。※リフォーム履歴あり

共用部が格好良い。行くと雰囲気ある

自分が見た中で最も古い分譲マンションは、柿の木坂アビタシオン(目黒区)。築62年。これも坪200万ほどで流通してる。※リフォーム履歴あり

エレベーターなし6Fだけど、共用部は綺麗
アビタシオン株式会社の第2作目。デベも存命

都内の中古マンションを見始めて約6年ほど。「その間、普通に建ってたよ」ということもある。築年数は経ったけど、急激な変化もない。むしろ大規模修繕でキレイになってたりする。ここから数年でだめになるイメージは、見てる感じ持てない。なので「ちゃんと管理すれば、あと30年以上は全然持つのでは?」と見立ててる。

物理的には「100年以上」持つ

また一般論について、専門家の意見を記載します。確かに構造躯体以外は全て修繕交換できるので、この見立てには納得。

日本最古の鉄筋コンクリート共同住宅は、長崎県の軍艦島。築100年超。空き家になって40年超経っているが、躯体は残っている。計画的に修繕が行われていれば、利用可能だったはず。

とはいえ、管理が超重要

現場を見る身としては、以下はみておきたい。全て問題ないというわけでなく、見極めが大事。

立地:今後も流通価値が存在するエリア
新築マンションを買いたくても、買えないエリア」であることが安心感を高める。「新築には住めないエリアに、築年数は経っているけど、管理が良くて、室内をリノベーションすれば素敵に住めそう!」の順序が大事。

建物:管理状態が良いこと
築50年ほどの物件で、一番こわいのは管理ネックに起因する「設備系の故障リスク」。特に給排水管の漏水・雨漏りの水系がこわい。共用管の交換をしてないため、漏水が多発しているマンションは実際にある。そのような物件だと、ある日突然漏水し、修繕にも時間やお金がかかる。かつ、水系トラブルは、原因箇所がすぐに断定できないこともあり揉めやすい。ここは避けたい。

また「著しく耐震診断が悪い物件は避けたい」ところ。旧耐震物件を購入する際、そもそも耐震診断をしていないことは多い。これは仕方ない。ただ耐震診断をしていて著しく数値が悪い・ピロティ構造(1F駐車場でスカスカ)な物件も個人的にはリスク考慮すべきと考える。

また「著しく容積オーバーでないか」も確認する。同規模の再建築ができるか。今より小規模しか建て替えれないと、建て替え検討が近づくほどにうーんとなる。このあたりもリセールの争点になると見立ててる。

最も個人的には、このような物件の将来について楽観的に考えている部分もある。分譲マンションの問題はある種の社会課題。今後築古マンションが増えるにつれて今より修繕・耐震補強・建て替えはしやすくなると予想してます。

例えば東京都も昨年「2040年代に、都内の建物を100%耐震化する方針」を示している。ある種の社会課題なので、大きく向かう方向は決まっているのでは。そこに対して「個人が取れる範囲でリスクを取りながらどう行動するか」という話かと思っています。

出典:TOKYO強靭化プロジェクト~「100年先も安心」を目指して~
(2022年12月)

以上、ざっと書きました。築古マンションを検討する人の一考になれば幸いです!それではまた!

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