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「ハッピーノート」で児童に寄り添う②

長崎大学教育学部の鈴木慶子先生の研究室では、毎年3年次ゼミ生が”社会による教育”を取り入れた指導を受けています。今年は青年会議所(JC)大村が主催する小学生対象イベント「豊かな大村湾に触れて学ぼう!」で、企画「ハッピーノートと海のお絵かきタイム」を担当・実施しました。どんな結果になったのか、ご本人たちへのインタビューをご覧ください。

「楽しかった!」とみんな笑顔! 参加者(大村市の児童と保護者)とJC大村の皆さんと一緒に

児童の気持ちを引き出したハッピーノート

Q:イベント終了後の率直な感想を聞かせてください。
西川さん:大成功でした! 子どもたちは大村湾を身近に感じたようでハッピーノートには様々な思い出でいっぱい。 何ページも使って描いている子もおり、自分が体験したことを表現したがっている感情の高まりを感じました。

ハッピーノート作りに勤しむ児童・保護者と、観察する3年次鈴木ゼミ生

Q:どんな絵が描かれていたのですか?
川口さん:
「タコを飼いたい」「コウイカが美味しい」「セミエビの足は黄と黒だった」などなど、発見の感動に溢れていました。空想ではない、活動をしたからこそ描ける実感のこもった内容ばかりで、その様子に私たちも感動しました。

西川さん:「児童のいろんな気持ちを引き出して表現させること」は、同企画の目的である「自己肯定感を高めること」に沿っています。また、あまり話さない子でもハッピーノート上での表現はとても豊かで、コミュニケーションツールとしても活用できると分かり、予想以上の効果を得ることができました。

ハッピーノートの説明や進行役としてステージ上でMCを担当した川口さん

Q:ステージトークも頑張ったようですね
川口さん:MCをするのは初めて。「ステージトークは最初と終わりの10秒で心を掴むのがコツ」とJC大村の方に教わり実践できたことが成功に繋がりました。

野邊さん:会場はとても盛り上がりました。子どもたちの声を伝える西川さんと良いコンビネーションができていましたね。

子どもたちへのインタビューを担当した西川さん

西川さん:テレビ局のリポーターさんが現場でインタビューしている様子を見てお手本にしました(一同拍手!)。そして「子どもの声を一回受け止めて、それを発展させる」「難しい言葉を使わずに具体的に尋ねる」を心がけて話しました。

Q:残り2つのキーワード「地域」「グローバル」も盛り込めましたか?

大村湾から生き物の調達(!!!!)に奔走した石橋さん

石橋さん:運営側にいた僕たちも大村湾に生息する生物を知り、改めて大村市について学ぶ機会になりました。ハッピーノートを見ると子どもたちが僕ら以上に海への関心を持っていたことが伝わってきました。当然、暮らしのすぐそばにある海だと認識しており、地域が世界につながる環境であることも感じていたでしょう。

川口さん:「地域を担う人を育てること」について今回のイベントはとても勉強になりました。子どもたちにとって、地元の魅力や歴史を実体験すること、その感動を表現することと同時に、気持ちを分かち合う周囲の声かけが大事だと思います。

今回のイベントの目的、そのものですね!

プロジェクトを成し遂げて

Q:企画から実施までプロジェクトの一連の流れを経験しましたね
石橋さん:ほっとしました。企画立案の段階で新型コロナウイルス感染対策のための行動制限期間があり、内容を変更せざるを得ない事態もあったので。しかし、企画の全てが変更されたわけではなく、良い部分を抽出してハッピーノートに集約できたので、最終的にプロジェクトをより充実させることができたと思います。

Q:企画の変更も振り返りの機会ということ?
小田さん:そうですね。状況が見通せない時期には、いろんなリスクを考えて、細かく準備を進めた点も変更に対応できた理由かもしれません。その際、JC大村の方や保護者などいろんな人の意見も取り入れました。
西川さん:また「目標を明確に定めて、ゴールから逆算しながらすべきことを実践していく」という、学部の授業で教わっていたことを実践できたと感じます。

企画の最後に挨拶をする鈴木ゼミのメンバー(4年生も一緒に)

Q:地域との関わりを深めることはできましたか?
野邊さん:JC大村には経営コンサルタント、公認会計士、弁護士、様々な職業の方が所属していてたくさんの出会いがありました。また、社会人と一緒に一つのイベントを作り上げていくことは他ではできない体験で、将来に繋がるネットワークを作ることができたと感じます。今後、教育分野以外でも大事にしたい繋がりです。

会場設営を担当した野邊さん(左)。JC大村の方と一緒に

Q:メンバー5人の結束も強くなったでしょうね。
西川さん:プロジェクトを始めた時は行動が噛み合っていないこともありました。進めていくうちにそれぞれの得意不得意が見えて、今では分担を決めなくても、適材適所で人が動き、補い合えるようになったと感じています。

8カ月にわたるJC大村とのコラボレート企画の中で、教育分野とは違う社会を経験した鈴木研究室3年次ゼミ生たち。4年生となる来年は教員採用試験に挑み、その後、グループでの卒業研究に着手する予定です。同プロジェクトで培ったチームワークが今後も様々な場で力になることでしょう。これからも頑張ってください!

鈴木慶子先生のインタビューはこちら


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