2024.1.10 思想と創造の喫茶店経営
『近代食堂 別冊 特集版 第13集 喫茶&スナック』という旭屋出版から昭和54年に発行された雑誌を実家から持ってきた。定価3300円、ところどころカラーページがあって、大きい雑誌のサイズで分厚い。
なんで持って帰ってきたかというと、喫茶店の詩を書きたいと思って参考にしたかったからだ。40年以上前の雑誌を捨てずにとってある、実家というのはそういう物がたくさんある。写真の中の人たちは、髪型とか服装とかが、当たり前だけど昔の人の感じで、料理とかデザートの写真もたくさん載っていて、昔の写真というのは、どうしてこういい感じに見えるのだろう。色味とかもいいし、喫茶店の店内の感じもいいし、なにしろ写っている食べ物が全部おいしそう、眺めているだけで楽しい。
特集タイトルは「兵法活用の喫茶店経営」「コーヒーのなかの哲学」「〝思想と創造〟の喫茶店経営」。「頑固老人現代喫茶店考 金をかけずに繁盛店をつくる法」茜屋珈琲店の主人、船越敬四郎さんという方の、昔の漢字とかなづかいで句読点も字下げも改行も一切ない文章が、みっちり4ページにわたり掲載されている。原稿は恐らく手書きだろうし、それが活字になって雑誌に掲載されているというのが、内容を読まなくても、視覚だけでものすごい迫力がある。
編集後記には「戦後生まれの世代が、明確な意志を持って、新しい価値体系の集団を形成しつつある」とか「戦前派と戦後派の大きな違いは、戦前派は「まず、生きることが大切」、戦後派は「どう生きるかが問題」ということではないか?」といったことが書いてある。「労働に対する価値観に、天と地ほどの差があるようだ。「そんなことをしてまで、仕事を覚える必要はない」という若者が増えている。指導者が熱意を持てば持つほど、逃げ腰になる」。
昨日から子どもたちの学校と幼稚園がそれぞれ始まり、久しぶりの一人の時間で、自転車で買い物に行くだけでものすごい開放感。空に雲がひとつもなくて、空ってこんなにも青かったっけ、と思うぐらいに青かった。