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クレジットカードの手数料率が高い理由

先日発表のPayPay決済手数料率決定以降、Twitterをみてるとクレジットカードの手数料が海外に比べてなぜ高いのか?と言った書き込みを見るようになったので、ここはキャッシュレス決済を専門分野の一つとしてる私が記事として投稿したいと思いますし、この内容が皆さんに伝わればと思います。

2019年のいわゆるキャッシュレス元年以前にも事業者の多くの皆さんはクレジットカードを導入していたと思います。

クレジットカードの手数料は業種や取引規模に応じて1%台から7%や場合によっては10%近くまでいくところもあります。

では、なぜこんなに手数料が高いのかというと、そこにはある法律が関係しています。
その法律は「割賦販売法」です。

この法律は元々、クレジットカードやローンでの商品購入に関して生じる、トラブルの防止や解決を図る目的で制定されたものです。
皆さんもクレジットカードで買い物する際に経験があると思いますが、日本の店舗でクレジットカードで支払おうとすると店員さんから「お支払い回数はどうされますか?」と聞かれると思います。

実は海外でクレジットカードで購入する際にこの言葉を聞く事が基本はありません。
なぜなら、海外では1回払いが普通だからです。

クレジットカードやローンは手持ちの現金がなくても買物ができるため便利だが、支払い能力を超えた買物をすることが可能になる。
それは、買い手の支払いが滞ったり、そのために店舗側が代金の回収ができなかったりといったトラブルが起こりうるということだ。
また、割賦契約で物やサービスの売買契約を結んだ後に店舗が倒産・閉店し、クレジットカード会社への支払いだけが残るという事例があり、これを解決するために制定された法律が「割賦販売法」なのです。

そして、もう一点クレジットカードの手数料が高くなる理由があります。
クレジットカードブランドは主に国際七大ブランドというものがあります。
・VISA
・JCB
・Master Card
・Diners Club
・American Express
・銀聯
・DISCOVER
です。
皆さんのお持ちのカードにもこの七大ブランドのどれかのマークが入ってるはずです。

そして,それとは別に発行してる会社がそれぞれあると思います。
例えばタイトル画像にあるau Payカードは発行してるのはKDDI株式会社やauペイメント株式会社などですが、カードにある国際ブランドはMaster Cardですよね。
このカード発行会社のことを業界ではイシュアと呼び、国際ブランドと消費者をつなぐ存在になっています。

そして、今度は事業者の立場になったときに恐らく皆さんがカード決済を導入した時に国際ブランドと直接契約してる方は少ないと思います。
多くの方は加盟店契約会社や決済代行会社を通して利用できるようになってるはずです。
この加盟店契約会社の事を業界ではアクワイアラと呼び、加盟店である事業者や決済代行会社と国際ブランドをつなぐ役割を果たしています。
図に表すとこのような感じになります。

ちなみに日本ではアクワイアラとイシュアが同じケースが多く、下記のような会社がそれにあたります。
三井住友カード株式会社・株式会社ジェーシービー・トヨタファイナンス株式会社などです。
また決済代行会社として有名なのはSBペイメントサービス・DGフィナンシャルテクノロジー(旧:ベリトランス)・Square・STORES決済(旧:Coiney)などがあります。

これらを見るだけでクレジットカードの仕組みは複雑だという事をお分かり頂けたかと思います。

そして、それぞれが先程の割賦販売法のところで書いたよう回収できないなどの問題が発生した時にそれぞれが事業継続できるように一定の手数料があり、最終的に国際ブランドにブランド料を支払う形になってます。

この複雑怪奇な仕組みのおかげで日本はクレジットカード手数料が高くなってます。

ちなみにアクワイアラと契約するよりも決済代行会社を利用した方が手数料が安くなったりするケースもありますので、ぜひ複数の企業にお問い合わせされる事をお勧めいたします。

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