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【北陸観光フリーきっぷ】全国唯一の「通年発売される新幹線乗り放題切符」!その使い方を紹介。

【2024年3月5日追記】
嬉しいことに、北陸観光フリーきっぷは新幹線敦賀延伸が行われるダイヤ改正後も引き続き発売されることになりました!
このため、ダイヤ改正に合わせて内容を加筆・修正しています。


JR各社の誇りであり、我が国の誇りでもある「新幹線(Bullet Train)」。
鉄道ファンはもちろんのこと、家族/親子連れの利用者からも憧れの目を向けられる鉄道界のスター選手として、日々長距離輸送の主軸を担っています。

しかし、長距離輸送で用いられる列車なだけあってその運賃は高額です。
新幹線の利用が前提になるような中~長距離の利用をしようと思うと最低でも3000~5000円程度、東京~新大阪や東京~仙台などの代表的な区間になると、片道の運賃でも1万円を超えてしまいます。

【参考】
東京~新大阪の新幹線普通運賃は自由席利用で13,870円
東京~仙台の新幹線普通運賃は全席指定の「はやぶさ」普通席利用で11,410円(通常期)です。
なお、外国人・国会議員・高齢者(満50歳以上)限定が利用資格になるフリー切符はここでは考慮しないものとします。(ジャパンレールパス・国会議員乗車証・大人の休日倶楽部パスなど)

一部の区間では「えきねっと(東北・上越・北陸)」「エクスプレス予約・スマートEX(東海道・山陽・九州)」の早特切符が使える場合もありますが、ほとんどの人は「そんな先の予定なんて確定してないし…」といった理由で利用を諦めているという場合も多いでしょう。
また、飛行機との競合が皆無な区間ではこの早特切符すら設定がなく「有料の会員制サービスを利用する場合を除き、普通運賃以外に利用手段は存在しない」というパターンもあります。

そんな新幹線でも、全国唯一となる乗り放題区間・フリー切符が存在します。それが、今回紹介する「北陸観光フリーきっぷ」です。

お値段は「名古屋市内出発版」で16,230円。(ダイヤ改正後は17,220円)(後述しますが、住んでいる場所が名古屋近郊エリアではない場合はこれに加えて「名古屋市内まで出るための交通費」も別途必要となります。)

「利用資格が実質何も課せられておらず、誰でも利用できる新幹線乗り放題切符」は「鉄道開業150周年・JR東日本パス」「Myワーケーション東海道新幹線きっぷ」「JR西日本どこでもきっぷ」「みんなの九州きっぷ」などがありましたが、いずれも期間限定商品であり、現在は全て発売を終了しています。
このため、2023年4月現在での新幹線乗り放題切符はこの「北陸観光フリーきっぷ」のみとなります。

今回は、この北陸観光フリーきっぷの概要と使い方を簡単に説明していきたいと思います。


元々は「名古屋~北陸を「(ワイドビュー)ひだ」と「しらさぎ」でぐるり一周する」割引切符

この切符は、
「名古屋市内→「(ワイドビュー)ひだ」→北陸エリアの乗り放題区間→「しらさぎ」→名古屋市内」
というように、名古屋と北陸を結ぶ2つの特急列車を両方とも使うことが条件の割引切符となっています。(順番が逆でも大丈夫です)
このため、速く行けるからといって「しらさぎ」だけで往復したり、高山地方の観光を最大限楽しみたいからといって「ひだ」だけで往復することはできません。

北陸エリアの乗り放題区間ではありませんが、「ひだ」を利用する際には高山地方の3大主要都市である「下呂」「高山」「飛騨古川」の3駅で途中下車(移動が完了していない状態で、改札の外に出場する)ができるようになっています。
「北陸が旅のメインではあるが、せっかく高山地方を経由するのだからこちらの観光も楽しみたい」という人にも是非おすすめしたいフリー切符と言えます。

新幹線の乗り放題区間は「敦賀~金沢~黒部宇奈月温泉」

この北陸観光フリーきっぷの最大の目玉は
自由席に限り、新幹線・在来線特急も追加料金なしで利用できる
新幹線の開業を受けて、JR西日本から第三セクター会社に運営が変わった部分の北陸本線(在来線)も乗り放題
という非常に強力な乗り放題区間が用意されていることです。
乗り放題区間は西は福井県の敦賀、東は富山県の黒部までとかなり広い区間をフォローしており、能登半島方面へ伸びる「七尾線」や富山県内の支線である「氷見線」「城端線」にも対応しています。

また、乗り放題区間内でも特急料金を追加することで指定席・グリーン車も利用できるのが特徴です。
金銭的に余裕がある場合は、同じ列車でも普通席とグリーン車でどのくらい座席に差があるのかなどを検証してみるのも面白いでしょう。

※ただし、北陸新幹線の最高級座席「グランクラス」だけはこの切符でも一切利用できず、乗車券も含めて全ての切符を買い直す必要があります。これが唯一の弱点と言えるでしょう。

名古屋(静岡でも可)に出る手段を用意できれば、全国どこからでも使える

この北陸観光フリーきっぷですが、当然ながら日本中どこからでも使えるわけではありません。(名古屋市内・浜松・静岡の3か所からの出発分のみの設定、発売です。)
このため、愛知・岐阜・三重・静岡県の名古屋近郊・静岡エリアに住んでいる人以外は「切符の発売地域までの移動手段」を別に用意することも利用条件となります。

一例としては、
【1】「東京などの首都圏エリアから、静岡まで新幹線で移動→静岡駅でこの切符を購入・利用」
【2】「大阪などの京阪神エリアから、名古屋まで新幹線or近鉄名阪特急orJR在来線で移動→名古屋駅でこの切符を購入・利用」
【3】「北海道や九州などの超遠距離から、名古屋まで中部空港行きの飛行機と名鉄で移動→名古屋駅でこの切符を購入・利用」
といった形になります。
このため、名古屋近郊・静岡エリア以外に住んでいる人はこの「発売地域に出るための交通費」も別途発生してしまう点にも十分注意しましょう。

浜松・静岡出発版を利用する場合は「名古屋では途中下車はできない」ことも注意点と言えます。(のぞみ号も止まる超巨大駅なので、改札内の売店ももちろん充実してはいますが…)
もしも、名古屋駅の改札の外にある売店・レストランでの休憩を予定している場合は「名古屋(市内)まではこれとは別の切符を用意して名古屋で下車→名古屋市内出発版の北陸観光フリーきっぷを利用」という形をとるようにしましょう。

大型連休シーズンには使えない点だけ注意!

この北陸観光フリーきっぷに限らず、JR各社では帰省客のために特急列車の指定席を安定して供給するという観点から
GW:4月27日~5月6日
お盆:8月10日~8月19日
年末年始:12月28日~翌年1月6日
には全国共通で多くの割引切符が使用不可になります。
このため、
「もうすぐGWだし、これで新幹線三昧だ!」
「お盆の帰省のついでに、この切符でのんびり寄り道旅もしようかな?」
といった目的では使用できない点にだけは十分注意するようにしましょう。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
現在、noteでの活動は無期限休止していますが、今後の状況次第では再び鉄道関連の興味深い話題を投稿するかもしれません。
よろしくお願いします(・∀・)

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