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【追記あり】音楽に愛されて、出るべくして出てきた人

やっと梅雨が明けたと思ったら、東京は容赦無い暑さが1週間以上続いている。
未知のウイルスが蔓延っていようが、季節はちゃんと巡ってくる。

体調管理が必要なのは解っているのだけれど、図らずも最近寝不足が続いた。
原因はこの人、藤井 風 くん。

彼のYouTubeを夜な夜なチェックして眠れないどころか、仕事の行き帰りにも音源を聴いている始末(笑) 最近露出が増えているので、同じく殺られている方も多いのではないだろうか? 

彼は小学生の頃からYouTubeにピアノ演奏の動画をアップしていて、私も何年か前に偶然観たことがあった。ピンクレディからジブリ久石譲節へ。

たまたま行き着いた動画だったが、中学生の彼が弾くピアノは若いパッションと歳に似合わない大人びたセンスとがいい具合に混じり合っていて、ピアノが打楽器であることや思いを伝える「道具」である事をあらためて思い起こさせるものだった。何より、本当に楽しそうにピアノを弾く姿が微笑ましく魅了された。
あの時はまだ子供が小さくてなかなか自分の時間が取れず、何曲か聴いただけで追いかけることはなかったのだが、なんて才能のある子だろう!素敵な子だなぁと思ったのをはっきりと覚えている。
また、印象的だったのはその「手」の大きと指の長さ。手フェチの私、あの手は忘れない(笑)

さて、その彼が成長し、なんとピアノ弾きとしてではなくシンガーとしてメジャーデビューしていた。

いつも聴いているAmazon Music で、たまには普段聴かないプレイリストを聴いてみようかなと思って出逢ったのが「帰ろう」だった。

ちょうどその前日、ある人とのやりとりを通して同じようなことを考えたりしていたものだから、思わず歩みを止め立ち尽くしてしまった。歌詞の世界観、メッセージ、音の重なり、ストリングスアレンジ、転調、ハーモニーそして声そのもの・・・。どれをとっても、もうこれしか無いというくらいにドンピシャど真ん中にきた。ああ神様、今私にこれを聴かせるか…と、歌詞を追いながらサビを口ずさみなぜだか笑みがこぼれた。

その夜。
アーティスト名を検索してみたらなんとびっくり。あの時の男の子だったのだ。1stアルバムも出ていた。これがまたいいので皆さんぜひ。
1枚目が全て彼のオリジナル、2枚目がピアノ弾き語りカバー集になっている。

オリジナルの歌詞は、聞く人によってさまざまな心象を呼び起こす「言葉」のチョイスが絶妙で、曲はと言えば洗練されたコード進行とハーモニーが素晴らしく、新しいのにそこはかと昭和の匂いを感じさせるメロディが耳に心地良い。
多彩なアレンジで一つとして同じ曲調が無いにも関わらず、風くんワールドに浸れる構成になっている。彼の魅力を盛り込んだ1枚。

そして、特筆すべきは2枚目。ただのカバーではない。
彼の彼たる所以というか、独自にアレンジ(コードも変えている!)したピアノをバックに響く歌声は、決して誰かのカバーでは無くもう完全に彼のものになってしまっている。個人的には2枚目だけでも買ってるだろうと思うくらい。

彼のYouTube動画には、演奏だけでなく曲の紹介など喋っている場面も。ゆっくりとしたリズムで、訥々と岡山弁や英語で話す佇まいが何とも言えず好もしい。気負わず自然で、そしてとてもハッピーなのだ。
可愛いと言ったら失礼かもしれないけど、なにせ親子ほど歳が離れているので。
どうかずっとこのままで。マイペースを貫いて自分を守って欲しい、と思う。

でも同時に「彼は大丈夫」とも思う。
どれだけ売れても売れなくても、歳をとってもチヤホヤされても、お金に目の眩んだ輩が群がってきても(笑)そんな些末なことは眼中に無く、荒波もスイッとくぐり抜けていくんだろう。自分にとって大切なものを解っているというか、この歳でびっくりするほど自分の世界とブレない軸を持っているような気がする。
そして彼はそんな自分のこと、強さも弱さも魅力も、ちゃんと解っているんじゃないかな。
瞑想が日課で、酒もタバコもやらないベジタリアン。彼のような若い人が普通に、ハイヤーセルフがなんちゃら、なんてサラッと話す時代がやって来た。
今の世に出るべくして出てきた人。音楽をやっているというより音楽の中で音楽に愛されて生きているような人だね。

息子は彼の昔のピアノ動画を観て「超絶上手いじゃん!なんか指が凄いよ」と、視点は大きく異なる(笑)が、やはり「手」から目が離せなかった様子。
君は知らなくてもいいけど母はその「手」が大好き♡なのだよ。

その手からこれから生み出されるであろうたくさんの楽曲を楽しみに、明日からまた生きていこう(笑) 

さあ、今日は何を聴くかな。

【9月5日追記】
帰ろう のMVが公開された。
観る人によって感じることは違うだろうけど、
歌の世界観が見事に表現された、とっても素敵なMVだったので、説明するより観てみてね。
サビの浮遊感、赤い風船、そして人々の表情の変化…etc.

何度も繰り返し観たくなるショートフィルムのような仕上がりに、この仕事に関わった方たちの本気度がひしひしと伝わって来る。

おそらく、この歌は消費されない。
観るたくさんの人々の心にひっかかって消えない何か、を残すだろうと思うのだ。それぞれのステージで。
すてきな体験をありがとう、と伝えたい。

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