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目覚し

「目覚し」(お目覚まし)という、熊本特有の通夜の風習を初めて知った。

わたしの故郷名古屋の「御寂見舞」(おさびしみまい)と、とてもよく似ているけれど、熊本のそれには、悲観するだけでない遺族の『役割』を感じる。酒や菓子を頂きながら一晩中寝ずの番をする行動も、故人への願いも、仏法への帰依も『役割』だ。

役割を果たすことで、死を単に受け入れるのではなく、能動的になる。その延長に明日の葬儀を置いて、故人を送り、次に進む力を得るのかもしれない。

目を覚ます。
それは、明日を迎えることだから。

故人も現世を去り、どこかで目覚めることを祈って。

追伸。
お酒の飲めないわたしの「目覚し」は、もっぱらお菓子です。

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