お江戸スタイルブック no.015
江戸時代前期頃の遊女。
髪は『御所風髷』という下げ髪が変化した髷です。
上流が中流に移り花街まで及びました。
江戸時代初期は女性の着物も細帯で、
袖口が小さいのが特徴。
右手で褄を取りポーズを決めるその姿絵は、寛文美人図といわれる様式です。
「寛文美人図」とは寛文期(1661 ~ 73)頃に流行したとされる、美人画の形式で、大胆なデザインの寛文小袖を身に纏っています。
引用元の作品は、こちらの画集に載っていたもの。
2015年に開催された展覧会図録ですが、版元が小学館スクウェアなので
現在でも普通に手に入ります。
シカゴ美術館の理事であるロジャー・ウェストン氏の肉筆浮世絵コレクションの一部なのですが、また使えそうな画像が見つからなかったため
ここに載せるのはやめておきます。
図録の33ページに載っている子です。
無款とあるので、作者がどこの誰かわかりません。
寛文美人図は、当時の町絵師が量産していたものらしく
無款のものが多いそうです。
どんな人がどんな想いでこの絵を注文したのか…
モデルはどこの何という名の遊女なのか…
注文主とモデルの関係はどういったものなのか…
色々と妄想をしてみるのも楽しいものですね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?