空飛ぶヨットでパリ五輪挑戦
今回は東京オリンピックに向けた活動で学んだこと、今感じていること、そしてパリ五輪への決意をここに書きました。
1995年生まれ。愛媛県出身、神奈川県にて活動
前職にて「トップアスリート育成事業」を立ち上げ「五輪種目最速のヨット」で東京五輪代表選手を目指す→海外を転戦し結果が出ず苦戦しつつもなんとか国内ランキングトップに→五輪前に事業撤退→営業職に戻る→元の生活に戻るが夢を諦め切れず2024年のパリ五輪を目指すと決意する→日本オリンピック委員会強化スタッフを務めつつ、海のF1と呼ばれる「世界最速のヨット」で優勝賞金1億円を懸け世界を転戦するチームのサポートに入る。また、気象のエキスパートになるべく合格率4%の「気象予報士」の資格を取る為に日々勉強中(苦戦中)。
社会人としてのスキル
オリンピックの活動を通じて「アスリートは社会人としてのスキル」が必須なんだと学びました。
オリンピックに向けたプレゼン、稟議、毎月の報告会資料、根回し、PL、チームPR、各所訪問、財団助成金申請、理事会プレゼン、経費精算、これらを全部やってアスリートに必要な筋トレ、食トレ、海上練習、海外選手との情報交換、船の整備、海外遠征の準備などが必要でした。
一生懸命資料を作って提出したある日、「この資料だと、どこまでを資産計上し損金で落とせるかパッと見で明確ではありません。」と指摘された事がありました。頭の中は「?」マーク、、、。
今となっては意味が理解できるんですが、電子機械系の学校であまり勉強をしなかった自分にとって「いつ処理するか前もって仕分けして欲しい」という意味は全く分からず苦労しました。新しい単語が出る度にググってました、、、。
資料を作ったりするより回路を組んだりNCフライス盤の操作をしてパーツを作ったりするのは得意なんですが、、、(汗) あと、セーリングも(笑)
船を浮かべる為にかなりの日数を費やして、思い描いていた「よし!これで毎日セーリング出来る!」ってのは程遠いものでした。でも、今はそんな経験が色んな場面で活きていると実感しています。
必要なのは「アスリートとしての素質や能力だけじゃない」って事を身を以て感じたので今後も意識しながら活動して行こうと思います。
アスリートは人生を懸けたチャレンジ
もどかしいなと思うのはパリ五輪を目指す活動で「スポンサーは居ないけれど頑張っています」という自分が居るという事です。それでもやっぱり海が好きだからという理由で活動を続けているんです。執念で、、。
同じ年代の友達は皆んなキャリアアップしている中、人生を懸けヨットに力を入れているのは大きなチャレンジです。企業に属さない分自由ですが安定しない生活は大変。
改めてスポーツでお金を稼ぐのは難しいし、良しとしない風潮を凄く感じています。これは「体育の価値観」から抜け出せないでいるスポーツの現状課題が影響しているからだと思います。だから、僕はやっぱりスポーツをやるならセーリングもテニス選手くらい夢のあるスポーツ文化になればいいなと思って活動しています。(どうにかして解決したい)
まずは、ブラジル人がサッカーを楽しむ様にセーリングを気軽に楽しめる様なスポーツにしたい。
かつてないピンチ
長引くコロナの影響。
「東京五輪」と「SailGP」この2つの素晴らしい波が日本のセーリング界に来ていたはずがコロナの影響で一気に閉塞感に包まれてしまいました。
予定していた国内での強化合宿やレースが全てキャンセルとなり絶望的。やっと自粛解除で「トレーニングだけの生活」から抜け出せたものの、警戒状態がかなり影響しています、、。
でも、ヨットは向かい風ですら前に進む力に変える事が出来る。だからこそ、このコロナという強い逆風を逆手に取って前進する為の力に変えて行きたい。かつてないピンチでもあるけど、変化(進化)する為のチャンスだとも思います。
こんな時期だからこそスポーツというフェアな場を通して「チャレンジし続ける事の大切さ」を伝えて行きたい。僕にはヨットしか出来ないのでヨットで様々なメッセージを発信して行きたいんです。
フランス・パリ五輪を目指す
夢にみたオリンピックという大きな「舞台」。
再びナクラ17と呼ばれる「五輪種目最速のヨット」で2024年開催のフランス・パリ五輪に向け準備を進めている状況です。
ナクラ17級はリオ五輪から公式となった種目で東京五輪から船が進化(改良)し、水中翼によって水面から浮いた状態で疾走するまで進化しました。
この種目は男女ペアで乗る種目なのですが、練習に付き合ってくれる相手が見つかった為、船を買うという次のステップに踏み切る事が出来ました。
まもなく公開予定のクラウドファンディングで資金を調達したい考えです。
コロナの逆風に負けずどんどん前進していきたいと思うので引き続き応援よろしくお願いします。
デジタルアート協力:中川彩乃
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