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衝撃、放心、そして思いを馳せる

平庫ワカ作『マイ・ブロークン・マリコ』を読んだ。(以下若干のネタバレを含みます)

一度では消化できなくて、何度も読み返した。

猪突猛進な主人公の行動と、垣間見える自殺した幼馴染・マリコとの記憶が混ざり合い、最後には何でもない日常に戻っていく。

どれだけ死者に思いを馳せても、必ず時は流れるし、記憶は薄れていく。

作中では父親や彼氏から幾度となく暴行を受けても、ほとんど涙をこぼさず笑みを浮かべていたマリコが、読み終わってから脳裏に焼き付いた。

最後に見えた助けを求めるマリコは、彼女の本音か主人公の願望か。

どちらにせよ、主人公はマリコに出会うため、これからも生き続けることであろう。

自分の大切な人を抱きしめたい衝動に駆られる作品であった。

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