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ゲーミフィケーションを教育現場に

学校は楽しく

初任校でお世話になった尊敬する先輩先生の口癖です。
「学校をディズニーランドのようにワクワクする場所に!」
はっとさせられた同時に、私の考えていたことを言語化してくれた喜びを感じました。

みなさんの思う「学校」とは、どのような場所でしょうか。
もちろん「勉強する場所」という声が多数かと思います。間違いではないし、むしろ学校本来の場所の定義でもあることは否定しません。

ただ、世の中の変化が激しい時代。グローバル化や国際化が進む現代。多くの新しい価値観が流れ込む現在。IT革命により、DXやIoTが加速する社会。このような状況の中で、今私たち一人一人が「自分」と向き合い、「他者」と共同し、よりよい社会、持続可能な社会を構築しなければならない以上、どうしても「知識の詰め込み」だけでは賄えないスキルを要されているように思うのです。

教育現場に身を置いていると、今の社会を支える大人よりも、これからの未来を担う子どもたちに期待されているように肌で感じています。一教員として、変化を前向きに捉え、自他ともに尊重し合える人材の育成に努めていきたい所存です。

ゲーミフィケーションの導入

ゲーミフィケーションとは何でしょうか?ゲームという言葉が入っているから、ゲームをしながら?どんな目的で?と、認識は曖昧ながらできるものの、定義を明言するのは、理解していないと厳しそうです。

ゲーミフィケーションとは、いわゆる「ゲーム」の要素を、ゲームのこと以外に応用することを言います。

大本はみなさんがよく知っている「ゲーム」です。このゲームを、ビジネスや、学習等で使われているのが最近の流行となっているそうです。

私自身もこの「ゲーミフィケーション」を知ったのは最近です。英語教育の実践例の書籍に、一言だけ書かれていたのですが、個人的にゲーム好きの私は、その言葉から離れられなくなったのが、「ゲーミフィケーション」との出会いです。

定義や実例を調べていくうちに、私自身実現したい教育像にぴったりと当てはまる実感を得ました。生徒同士が「ゲーム」という名の対話から、他者を理解する姿勢や、その過程から自分の視野を広げ、見つめなおす機会となる。なにより、「楽しく」学ぶことができるのではないか。早速、今展開している授業の中にどのように取り組んでいくか試行錯誤し始めました。

単語学習でのゲーミフィケーション

どの分野でこの「ゲーミフィケーション」を導入するのがよいのか。考えた末に出した私の結論は、
やり方次第ではあるが、「なんでもいける」です。
ここで先生の手腕が試されると思いますが、目の前の生徒の状況や様子、雰囲気。また、学習状況等に合わせながら、「楽しい」授業展開をしていけばいい。そう考えると、工夫のしやすい手段だと感じます。

私が採用したのは、単語学習です。以前から、単調に、発音確認と音読となりがりな単元でしたが、Kahoot!等の導入で、少しでも盛り上げながら単語を頭に入れてほしいという思いがありました。
そのため、「楽しい」と「単語学習」の組み合わせはすぐに思い付き、実行に移します。

私が採用した、「ゲーミフィケーション」の単語学習は「単語かるた」です。
出題者が読み上げ、それに該当する札をとり、獲得した枚数で競うという日本の伝統的なあそびを活用しました。

やり方は簡単です。
用意してしてしまえば、何回でも使いまわせます。もし来年度も同じ課程が続くのであれば、次の学年へ引き渡すこともできます。
以下で私が作成した手順を載せておきます。

①カードをパワポで作成する
パワーポイントの一枚のスライドに、英単語、もしくは日本語訳を書きます。
この時、英語の方には発音記号とアクセントも書き加えておきます。
(授業内では大きくは触れませんが、載せておくことで、発音記号と実際の音との結びつきを意識させておきます)
A4サイズで9枚のスライドを横で印刷すると、下の写真のような大きさになります。

少し大変ではありますが、それをクラスのグループ分を用意します。


②ラッキーカードを忍ばせる
すべて単語かるたになってしまうと、英語が苦手な子が前向きに参加をしなくなります。そのため、クラス全員、得意な子も苦手な子もゲーム自体に参加してもらうよう、「ラッキーカード」を忍ばせます。
私は、ラッキーカードを取った子に、チップを5色の中から好きな色を選ばせます。そのチップの色が、ゲーム終了後に追加ポイントとなります。追加ポイントはマイナスもありますので、運要素を含み、ゲームが盛り上がります。
(実際に、毎回歓声が出るほど、盛り上がってくれます。)

本場のポーカーチップです。アマゾンで買えます。1セットあったらいろんなところで使えて便利です。

③かるたをする
カードが用意できたら、実際にクラスでかるたをしましょう!
ルールはいたってあの「かるた」です。
・教員が英語を読んだら、日本語訳を取る。
・日本語を読んだら、英語を取る。
・おてつきは1回休み
など!ルール等はカスタマイズでき、自身のクラスの雰囲気に合わせてもよいと思います!


④優勝者を称え、景品を渡す。
クラスの中で一番ポイントを取った人に、クラス内で使えるクーポン券をお渡しします。
今年度は
・指されたときに、好きな人に答えてもらえる券
・指されたときに、パスできる券
・プレゼンの順番を選べる券
の3つを用意しました。生徒はこれも選ぶときや、使うときも盛り上がってくれるので、とても嬉しいです。

学校をもっと楽しく!英語をもっと楽しく!

モットーは、「楽しく!」です。学校という場で、失敗を恐れてのびのびできないのであれば、よい学びは育たないように感じます。
だからこそ、他者とのつながりの楽しさを実感し、その仲間たちと学び、成長していく土壌作りに教員は勤しんでいくものではないでしょうか!英語という多言語を学び、自身の視野を広げていかなければならない教科だからこそ、人とのつながりの喜びを感じてほしいと思うこの頃です。

今後も、私自身で行った「ゲーミフィケーション」の事例をまとめていきたいと思います。見て頂いて、参考にしていただけることがあればとても喜びます!「楽しい学び舎」をともに作っていきましょう!

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