見出し画像

戦略人事:マルチファンクションという組織運営(クラウドサービスの料金改定への対応)

戦略人事:マルチファンクションという組織運営(クラウドサービスの料金改定への対応)

■クロスファンクションと言う機能の時代遅れ

現代はVUCAの時代の時代と言われ、環境変化の早さや激しさが経営を揺さぶる時代になっていると云われている。当然慎重にならざるを得ない意思決定もあるが、素早く試行錯誤する組織運営も欠かせなくなってきているのではないだろうか。

一般的に、製品サービスのプロダクトアウトの機能分化を表現するためにバリューチェーンで表現することがある。この要素一つ一つをファンクションと呼び、部門に対応させることで組織運営することが多い。

これに対し、特定の課題解決の為には複数の部署が共同で事に当たる必要があり、得に経営課題などは組織横断的な体制を取ることがある。これをクロスファンクションと呼ぶようになり、日産のゴーン社長が用いたことで一躍有名になった。

しかし、これは前提として「餅は餅屋」的な発想であり、各部門の活動を限定としていることや課題が出てからの活動であり、VUCAの時代では後手後手になりかねない。

■なにげなニュース

○「BASE」有料プラン、約3倍に値上げ 急な発表にユーザー悲鳴
2023年11月10日

ネットショップ作成サービス「BASE」はこのほど、中規模以上の出店者向け「グロースプラン」の月額料金を、5980円から1万9980円と3倍以上に値上げすると発表した。2024年1月16日から適用する。突然の大幅値上げにユーザーは悲鳴を上げており、サービス乗り換えを検討する人も出ている。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2311/10/news132.html

BASEといえば香取慎吾氏がコマーシャルで「簡単」「安い」「サポートが充実」などと謳っていた記憶がよみがえる。

こうして、顧客を大量に集めた後で、料金を改定する手法は一般的であり、DAZNなども話題になったことがある。

料金改定は、彼らの自己都合で行なわれることも多い。
PayPayが手数料を改定している話やタクシーGoなどもなにげに手数料を取っているような話も聞く。
これは悪質なのではなく、一般的であり、あのAmazonやGoogleなどもなにげに料金改定をしている。

■たらい回し

クラウドサービスの大部分は従量課金であり、人数分でのコストになる。従って、一人一人の金額ではたいしたことが無くとも全体を年間で見ると馬鹿にならない金額になりかねない。

しかしこうしたITサービス系のプラットフォームの管理はどこでやるべきなのだろうか?

システム部門:
システム部門はDX人材騒ぎでただでさえ忙しいのに人手も足りずに悲鳴を上げている。
社内のコミュニケーションツーツはMicrosoftTeamsだと云っているのに、勝手にZoomやGoogleMeetingを使っている。セキュリティ対策も頭がいたい。
使っているSalesForceが値上げした?
機能が使えなくなったならともかく、費用面は他で聞いてくれ。

経理部門
使っているSalesForceが値上げした?
予算オーバーなんだから、他のサービスを探してくれ。できなければ他の経費を削減する。
どこかいいところはないかって?
そんなものはシステム部門で聞いてくれ。
おまえらが選んだんだろう?

人事部門
昨年やっと、社外のプラウドシステムの利用に当たっての教育訓練が終わったところだ。こんなタイミングでサービスを変えるって?
又やり直しかよ。
そもそも、こうしたクラウドサービスは突然料金を変えることを想定していないのか?

こうした問題意識と縦割り的発想でクロスファンクションと云っても問題が解決できるとは限らない。怒鳴り合いの会議にならないことを祈ろう。

■境界線を無くす

ダイナミックに動く市場や社会環境に対応しようとすれば、すぐに活動できる体制が求めあれる。それは、特定の部門ではない。社内に機動部隊を設けるべきである。それは可能である。なぜなら、そうした部隊で私自身は働いていた。唯一欠点は兵隊が固定していたことだ。

「機動部隊」は、社員を固定しないで定期的にローテーションをさせる。そこには、基幹プロセス、支援プロセスのいくつかを選び、テーマを設けてシミュレーションをさせる。例えば、新しいインフラの活用のための立ち上げ(例えば人材育成、サプライチェーンの組み替え、ビジネスパートナーの選定など)を考えても良い。

失われるノウハウの防止でも良い。オンプロミスという言葉を覚えているだろうか。

オンプレミスの特徴は次のとおりである。
・社内ネットワークの中でハードウェアやソフトウェアを運用するため、外部からのアクセスを制限しやすい。自社運用とも呼ばれる
・オンプレミスとクラウド床となり下記の特徴を持ち
・オンプレミスは自社内に情報システムを保有し、そこでサーバーを運用する形態
・クラウドは情報システムを自社で保有せずに、外部で運用する形態を指す

その結果、社内でのサーバー管理者がいなくなり、結果として人材やノウハウの流失につながってしまった企業も多いだろう。これへの対策も必要かもしれない。

■人事部門の新しい役割

こうした機動部隊の運用は人事部門がすべきである。
・会社が立ち向かうべきリスクは何か
・そのための課題は何か
・各部門はどのような役割を考えるべきか
・どのようなヒトが必要か
文字通り、戦略を考える部門である。

(2023/11/26)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?