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世間に転がる意味不明:論点がずれている(ダイハツの出荷再開に対する違和感)

「儲かるための一番の早道はルールを守らないことだ。」という誘惑に勝てない経営者や企業は退場すべきである。

■安全だから出荷しても良いと言うのであれば今後もそうなのか?

○ダイハツ10車種の出荷停止「解除」 メインの軽が続々復活 基準適合を確認
2024.01.30

 国土交通省は2024年1月30日(火)、認証不正事案をめぐって出荷停止を指示していたダイハツ生産車種の一部について、出荷停止を解除すると公表しました。

https://trafficnews.jp/post/130721

多くの顧客がおり、これまでに購入したユーザーに対して安全を確認したことを示すこと自体は問題は無い。なぜならば、本来安全が一定程度保証されるべき試験などが行なわれていないことで事故時の結果が予想できないことに対する不安の払拭につながるからだ。

しかし、そうであったからと言ってダイハツ工業が生産を再開して良いと言う文脈が分からない。それは
①法令を守らないことでの利益享受を認めても良いのか
②計画されたプロセスではなく結果オーライという生産体制は信頼できるのか
と言う点である。

■簡単に儲ける道を開かせる法令違反

過積載のトラック運送を考えてみよう。仮に、法律が定めている量の2倍を運送させていたとする。過積載のトラックは高速道路などのインフラにダメージを与え老朽化を加速させることが知られている。この老朽化したインフラの修復の費用は多くは税金で賄われる。すなわち社会財を毀損させながらコストを支払わないというムスク委任佐賀露呈する。また、大量に運べることで他社より廉価にできるかもしれない。そうしたことで利益の不当な独り占めが行なわれる。

払うべきお金を支払わない。他社の利益をかすめ取る。と言うのが法令違反の真意である。

ダイハツについて云えば、すべき検査をしていない。もしかしたら1度で合格せずに何回かやり直すこともあり得る。型式の取得は時間もコストもかかる.これを支払わないで、「安さ」を維持していたとすれば、他のメーカーの利益を横取りしていたことになる。又、安全が保証されない車を販売しているのであれば明らかな詐称である。金額はともかく損害賠償の対象であろう。

■結果とプロセスは違う

国土交通省が保証したのはサンプリングした車の結果としての安全性である。
本来、車は設計プロセスを得て、その設計の妥当性を検証し、実際に製造して検査する。最初の設計プロセスを検証していない以上、ダイハツに新規の車開発を担うことを認めるのは不適切である。

そもそも今の製造プロセスの妥当性が分からない。
プロセスの検証もすべきである。
もっともダイハツにその能力があればだが。無いからこその不正ではないのか?

■ソフトランディングとしての解体

問題を混ぜないで欲しい。

○不正ではあったが実際には「安全すぎるコペン」だった……ダイハツの一刻も早い復活を願います
2024.02.04

ダイハツがいわば国に代行して衝突試験をする権利を有しており、その立場を利用して不正を行ったというのが今回の問題の骨子ですが、世間が、ダイハツのクルマがすべて安全基準を満たしていない、つまり危険なクルマだと早とちりしたこととは、どうやら異なるようなのです。

https://www.automesseweb.jp/2024/02/04/1485745

ダイハツが世に送り出す車が優れているかどうかや、ファンがいるかどうかを議論しているのではない。問題がすり替わってしまう。

不正を長年継続してきた企業は不当に他社の利益を脅かしてきたのである。そうした企業がそのまま継続して良いかどうかを問うている。

個人的には、ダイハツは解体すべきであると思っている。
レッドカードである。
もちろん影響が大きいのでいきなりの解体はできないだろう。しかし、このまま存続させることは「不正を働いてもなんとかなる」という風潮を作り出す恐れがある。山一証券を解体できたんだからできるだろう。

(2024/02/05)

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